いわき市心不全発見プロジェクトの概要
いわき市では、心不全による入院患者の増加が予測されており、心機能検査の必要性が高まっています。この状況に対応するため、一般社団法人いわき市医師会と日本ベーリンガーインゲルハイムが共同で「いわき心不全発見プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、高齢化が進む中で心不全の早期発見を促進し、患者の健康を守ることを目的としています。
プロジェクトの背景
日本全体が高齢化社会に突入する中、心不全の発生率が急増しています。特に、いわき市では2040年までに心不全による入院患者数が現在の約50人から100人へと倍増する見込みです。このため、心不全の早期発見がますます重要になっていますが、現状では心機能検査が全国平均を下回っていることが課題です。
取り組みの内容
プロジェクトにおいては、いわき市医師会に属する医療機関を対象に、心不全のステージBに該当する患者への定期的な心機能検査の実施を促すための活動が行われました。この取り組みの主な内容は以下の通りです。
- - 情報の提供: 医療機関に対して、ステージB患者への心機能検査の必要性を周知しました。
- - 検査の実施: 医師が判断した場合に、各種心機能検査を患者に対して行いました。
- - 評価と分析: いわき市の協力を得て、ステージB患者に関するデータの収集と検査実施状況の評価を行いました。
結果と評価
プロジェクトの結果として、心不全ステージB患者の85.8%は直近1年間に心機能検査を受けていないことが明らかになりました。また、BNP検査およびNT-proBNP検査の実施率が向上したという評価が得られました。このことから、早期発見を目的とした一連の取り組みが一定の成果を上げていることが示されています。
今後の展望
いわき市医師会は今後も「いわき心不全発見プロジェクト」を推進し、心不全リスクを抱える方々に対してさらなる啓発活動を行っていく方針です。また、過去のデータを元に事業の検査促進効果の分析も引き続き実施される予定です。
会社情報
このプロジェクトに参加している株式会社PREVENTは、2016年に設立され、医療データ解析や生活習慣病の重症化予防事業を提供しています。名古屋大学医学部発のスタートアップ企業であり、データ解析力を生かして製薬業界のさまざまなステークホルダーの支援を行っています。
詳しい情報や成果報告は、
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