中小企業向け運転支援サービスの実証実験が始まる
最近、沖電気工業株式会社(以下、OKI)とリスクマネジメント株式会社、損害保険ジャパン株式会社の3社は、ETC2.0のプローブデータを活用した中小企業向けのドライバー管理および安全運転支援サービスの実証実験を共同で進めています。このプロジェクトは2026年4月末までに完了し、本格的なサービスリリースに向けた検討を行う予定です。このサービスは、既存のETC2.0車載器を使用し、中小企業が導入しやすい価格で提供することを目指しています。これにより、物流や運輸業界が直面するドライバー不足や燃料費の高騰といった課題に解決策を提供し、安全で効率的な輸送を支援することを目指しています。
業界の背景
現在、日本の物流・運輸業界ではドライバー不足や燃料費が急激に上昇する中、業務の効率化と輸送の安全確保は急務となっています。多くの企業がドライブレコーダーなどの車載機器を導入していますが、ドライバーの管理や安全運転対策におけるコストが運用の負担になり、実際には十分に進展していないケースも少なくありません。こうした状況を踏まえ、3社はETC2.0車載器に照準を当て、既存インフラを活用した低コストでのサービス提供を目指してきました。
実証実験の概要
実証実験では、ETC2.0車載器から得られるプローブデータを活用し、OKIの車両運行管理支援クラウドサービス「LocoMobi2.0」を利用してデータの収集と可視化を行います。具体的には、走行履歴や急ブレーキ、急ハンドルといった挙動の履歴を分析し、事業者は各車両の位置情報や走行ルート、危険挙動の発生地点をWeb画面で簡単に管理できます。このサービスは、すでに搭載されている車載器を活用できるため、新たな機器の購入や設置・管理の手間が不要となります。これにより、コストや運用面での課題が解決され、中小規模の事業者も気軽にドライバー管理や安全運転支援に取り組むことができる機会が生まれます。
実証実験の目的と期間
実証実験は、2025年10月から2026年4月予定で実施されます。その目的は主に二つあります。まず、ETC2.0プローブデータを活用したドライバー管理および安全運転支援サービスの有効性を検証すること。そして、導入企業からのフィードバックを基に、サービスの機能改善や拡充につなげることです。
提供する機能
1.
車両管理機能: 各車両の所在位置や走行履歴をWeb上で確認できる機能。
2.
挙動履歴活用: 急ブレーキや急ハンドルといったデータを抽出し、ドライバーの運転傾向を分析します。
3.
データ出力: 安全運転指導に活用できるデータとして走行履歴や挙動データの出力が可能です。
今後の展開
OKI、SOMPOリスク、損保ジャパンは、実証実験を通じて得られた知見を活かし、サービスの改善と高度化を進めていきます。最終的には、各ドライバーの運転特性に応じた個別分析レポートの作成や、物流拠点での滞留時間管理機能の実装も目指しています。また、損保ジャパンは安全運転管理を導入したい企業へもこのサービスを広めることで、事故リスクの低減を図ります。
3社は、さらなるモビリティに関する社会課題の解決に取り組み、安全で効率的な交通社会の実現を目指して、引き続き新しいサービスの開発に努めてまいります。