伝統と革新が交わる新たな物流の時代
2025年11月28日、鈴与株式会社(静岡県静岡市)と月桂冠株式会社(京都府京都市)が、株式会社T2(東京都千代田区)の自動運転トラックを活用した商用運行に参画することが発表されました。今回のプロジェクトは、国内で初めて実用化される自動運転トラックによる幹線輸送サービスであり、日本酒の輸送を通じて伝統と革新の融合を図るものです。
自動運転トラックによる日本酒輸送
この取り組みでは、月桂冠の物流センターから鈴与の厚木物流センターまで、約420キロの距離を自動運転トラックが輸送します。この自動運転区間は、久御山JCTから厚木ICまでをカバーし、定期的に日本酒が輸送されます。自動運転技術の導入により、効率的かつ安全な輸送が可能となり、運送業界の課題解決に寄与する見込みです。
課題解決のための提携
現在、物流業界ではトラックドライバー不足や労働環境の改善が求められています。鈴与と月桂冠は、安定した供給力を確保するため、この革新的な取り組みを進めています。特に鈴与は1801年に創業し、月桂冠も1637年の長い歴史を有しています。この2社がタッグを組むことで、業界の革新を強力に推進します。
実証実験の成果と商用運行へのステップ
2025年の夏、鈴与は月桂冠向けに行った日本酒の輸送において、T2のレベル2自動運転トラックを使用した実証実験を実施しました。この実験では、技術面とオペレーション面から自動運転トラックの有効性を確認しました。実施内容は3回にわたり行われ、その成果を基にして、商用運行に参加する決定がなされました。
未来の可能性と拡大する自動運転
T2は、2025年にレベル2自動運転トラックによる商用運行を開始して以来、すでに7社がこのプロジェクトに参画しています。鈴与と月桂冠は、既存の輸送と同等の品質と安全性を確保できることを確認し、商用運行への参加を決定しました。今回の成果を踏まえ、T2が2027年度に開始する予定のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスにも参加することを検討しています。
まとめ
鈴与および月桂冠の共同プロジェクトは、自動運転技術を活用した新たな物流モデルの構築を目指しています。自動化が進むことで、効率的かつ安全な輸送が実現し、業界全体に革新をもたらすことでしょう。このプロジェクトが日本酒の輸送に新しい風を吹き込み、両社のさらなる発展を促すことに期待が寄せられます。