東北学院大学の農地集約プログラムとは
東北学院大学の黒阪健吾研究室が、農地集約プログラムに参加する市町村を広く募集します。このプログラムは、農家の耕作意向を収集して効率的な農地利用を促進しようとする取り組みです。
農家のニーズに応える
日本農業の長年の課題である「分散錯圃」、つまり耕作地の分散が農家の生産性に悪影響を与えています。研究によれば、農家は作業時間の10~15%を圃場間の移動に費やしているとされています。これは大きな非効率を生んでおり、農家が自らの耕作地を集約することが求められています。
しかし、日本では農業所得が不安定であるため、農地の取引はスムーズに進んでいません。また、農地の貸借の調整も手作業で行われているため、集約が進まない状況が続いています。このプログラムは、これらの課題を解決するために開発されました。
プログラムの概要
本プログラムでは、専用のWebアプリを介して農家からの耕作したい農地と耕作したくない農地に関する情報を収集します。その後、マッチングアルゴリズムを用いて、自動的に農地の集約案を作成します。この過程を通じて、市町村は地域計画の作成にかかる手間を大幅に削減でき、また潜在的な農地交換の可能性も発見できるでしょう。
特許出願中
この農地集約システムは、特許出願中であり、今後の展開にも期待が寄せられています。2022年度から2024年度にかけて行われた既存の実証実験では、直近で2024年9月に盛岡市で行われた実験において、16軒の農家が参加し、合計2304筆の農地を対象にした結果が報告されています。成果としては、農地の交換が実現し、耕作意向の実現率にも良好な結果が出ています。
今回の実証事業の意義
農地集約プログラムの実施は、農家の生産活動に与える影響を調査するための大規模な試みです。参加する市町村には、プログラムを実施する地区と非実施地区をランダムに選定して、その後の農地利用状況の変化を比較するという方法が取られます。
応募の流れ
このプログラムへの参加を希望する市町村は、ウェブサイトにて公募要項を確認の上、電子申請フォームから申し込む必要があります。また、個別にWeb相談会も開催されるため、詳しい情報を得ることができます。応募の際は、農地が米を生産していることが条件となります。
申請締切とスケジュール
応募は2025年4月25日から6月6日まで受け付けられ、2025年6月中旬に審査が行われます。選ばれた市町村はおおむね2025年8月以後に事業を開始することができます。この取り組みを通じて、農地活用に関する新たな施策の可能性が広がることが期待されています。
このプログラムに関する詳細や応募方法は、東北学院大学黒阪研究室の公式ウェブサイトでご確認ください。