キリンホールディングスがファンケル株式取得に向けたソーシャルボンド発行を計画
キリンホールディングスの新たな挑戦
キリンホールディングス株式会社(代表取締役社長COO 南方健志)は、社会的価値の創出と経済的価値の両立を目指す新たな手法として、株式会社ファンケルの株式取得を資金目的としたソーシャルボンドの発行を計画しています。4月24日に関東財務局へ社債の訂正発行登録書を提出し、実施に向けた準備が整いました。
ソーシャルボンド発行の意義
このソーシャルボンドは、「キリン・ソーシャルファイナンス・フレームワーク」に基づき、ヘルスサイエンス事業の成長を見据えた資金調達手段として位置づけられています。キリングループは「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造」を掲げています。そのため、社会課題の解決に取り組むことが重要な経営方針となっているのです。
2019年にファンケルと結んだ資本業務提携契約に基づき、互いの強みを活かしながら事業を推進してきました。2024年に向けた完全子会社化に伴い、株式取得に必要な資金調達としてソーシャルボンドの発行が行われます。このプロジェクトは社会とともに持続的な成長を目指すキリンの姿勢を映し出すものであり、ステークホルダーに対してもそのメッセージを届ける重要な機会とされています。
ヘルスサイエンス分野への取り組み
具体的には、キリングループのヘルスサイエンス領域での取り組みを強化し、国内外での販売基盤の統合や顧客関係管理(CRM)の強化、共同研究の深化など、多様なシナジーを生み出すことを目指しています。また、社会的価値の創出が期待されるプロジェクトへの資金投入を通じて、健康に関する社会課題の解決に寄与することを目指しています。
本ソーシャルボンドの発行は、発行年限が3年、5年、7年、10年から選択できる予定で、資金使途はファンケルの株式取得に充てられます。発行のタイミングについては、2025年5月下旬を予定しており、その発行額は未定です。主幹事には三菱UFJモルガン・スタンレー証券やみずほ証券、野村證券、SMBC日興証券が名を連ねています。
環境に配慮したファイナンス
その取り組みは、国際資本市場協会(ICMA)が定める「ソーシャルボンド原則2023」や、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)による「ソーシャルローン原則2023」などのガイドラインを遵守しており、信頼性の高いセカンド・パーティ・オピニオンも取得しています。これにより、投資家や社会に対しても透明性を確保し、信頼を積み重ねる姿勢が示されています。
未来へのビジョン
キリンは、自然と人の共存を見つめたものづくりを通じて、「食と健康」の新たな価値を創造し、心豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。今後のヘルスサイエンス事業の発展と、ファンケルとの連携を通じた成長戦略に期待が高まっています。
この新たなソーシャルボンドの発行によって、キリングループが持続可能な成長を遂げ、社会課題解決に向けた一歩を踏み出すことが期待されているのです。
会社情報
- 会社名
-
キリンホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
- 電話番号
-
03-6837-7000