スペクトラム社が発表した新AWGシリーズの革新と特徴

スペクトラム社の新AWG DN6.63xシリーズの魅力とは

デジタイザ及び計測機器を専門とするスペクトラム・インスツルメンテーション社が、最新の任意波形発生器（AWG）「DN6.63x」シリーズを発表しました。この新たなフラッグシップ機には、最大で6チャンネルで10GS/s、または12チャンネルで5GS/sの出力速度が実現されています。特筆すべきは、これが同社のNetboxシリーズに位置づけられた使いやすい計測器ラインである点です。ユーザーはEthernetケーブルを通じて、任意のPCやネットワークから簡単に操作が可能です。

高性能な信号生成技術

DN6.63xシリーズの最大の特長は、DCから2.5GHzまでの信号を生成できる超低ノイズ出力です。1つの筐体に4〜12の同期チャンネルを搭載しており、高性能GHz信号発生において新たなベンチマークを打ち立てました。たとえば、最大で6チャンネルの出力は、製品の精度とともに、システム構成の簡略化がもたらされます。このような構成により、エンジニアや研究者は、より高精度な波形生成が可能になります。

先進的なDACと性能指標

本AWGは、高速16ビットDACを採用しており、最大6チャンネルでの出力速度は10GS/s、または最大12チャンネルで5GS/sに達します。数値で見ると、出力振幅は50Ω負荷時に最大1Vpp／4dBm、または高インピーダンス時で最大2Vppとなっており、高いSNR（Signal-to-Noise Ratio）も実現しています。ノイズスペクトル密度は-150 dBm/Hz、SFDR（Spurious-Free Dynamic Range）は-90 dBと、優れた性能を誇ります。

幅広いアプリケーション

この新型AWGは、産業、医療、イメージングシステム、量子研究、半導体試験、通信など幅広い分野での利用が期待されています。各チャンネルは、独立したDACによる高精度PLLシステムで同期され、最も厳しい試験条件下でも安定した出力を提供します。さらに、最大48ギガサンプル分の内蔵メモリを搭載し、複数の再生モードを選択できる点も利便性を高めています。

接続性とソフトウェアのサポート

DN6.63xシリーズは、システム統合を簡単に実現するため、多彩なI/Oコネクタを備えています。また、オプションのデジタルパルスジェネレータ機能を利用すれば、様々な出力設定が可能となります。ソフトウェア面でも、WindowsおよびLinuxに対応したプログラムやサンプルが豊富にあります。

特に「SBench 6」というソフトウェアは、直感的に装置を制御でき、複雑な波形も簡単に生成可能です。このソフトには、計測器の操作をサポートするEasyGenerator機能があり、外部データから複雑な波形を作成することもできるため、非常に便利です。

将来の展望とサポート体制

DN6.63xシリーズモデルはすでに出荷が始まっており、5年間の製品保証が提供されています。加えて、ソフトウェアやファームウェアの無償アップデートも行われ、開発者からの迅速なサポートも受けられる体制が整っています。

このように、スペクトラム社のDN6.63xシリーズは、信号生成の新たなスタンダードを築くことが期待されています。興味を持たれた方は、こちらの映像をご覧になって、更なる詳細を是非ご確認ください。