新たなジビエ活用!岡山理科大学のペットフードプロジェクト始動
岡山理科大学の獣医学部が協力した一歩進んだペットフード計画が、2023年11月1日に始動しました。注目の的は、害獣として捕獲されたシカを使用した犬用ドライペットフード。このプロジェクトは、愛媛県鬼北町の農作物を守るために始まり、捕獲されたシカの有効利用を目指したものです。
2021年に始まった「ジビエペットフードプロジェクト」には、岡山理科大学だけでなく、今治明徳短期大学や愛媛県産業技術研究所、そして鬼北町も参加しています。2023年10月には、鬼北町に新たな加工処理施設が設置され、ついに本格的なペットフードの製造がスタートしました。使用されているのは、アレルギーリスクが低いシカ肉に加え、地元愛媛産の野菜やタイの身を組み合わせた栄養バランスの取れた製品です。
開発の中心を担った松田彬准教授は、ペットフード製造にあたり、基礎知識から注意点まで幅広いアドバイスを行ってきました。「当初は加工施設も無く、犬が食べるかどうかの確認も大変でした」と振り返ります。試作品が完成すると、早速、獣医学部の教職員や学生、一般家庭の犬たちに試食してもらうためのアンケートを実施しました。その結果、52匹中50匹が食べ、48匹は最後まで完食しました。
さらに、普段のエサと比較した際の食いつきも好評で、32匹が「とても良い」と回答。この結果は、プロジェクト関係者たちに大きな自信を与えました。松田准教授は、「最初はこの計画が成功するのか不安でしたが、無事に販売にこぎつけてほっとしています」と語ります。特に「人工添加物を一切使用せず、愛媛県産の素材にこだわっているのが大きなポイントです」とその魅力を伝えました。
販売は「株式会社ありがとうサービス」が担当しており、100グラムが550円(税込)、1キロが4,510円(税込)という価格設定で、オンラインショップ「えひめ鬼北やさしいジビエオンラインショップ」での購入が可能です。これにより、ペットへの新しい栄養供給が広がるだけでなく、地域の環境保全にも寄与しています。
ジビエペットフードは、農業被害の軽減とともに、捕獲されたシカの肉を有効活用する取り組みとして、今後のペットフード業界に新しい風を吹き込むことが期待されます。愛媛県鬼北町を中心に、地域と環境に優しいビジネスモデルが今後も進展していくことに注目です。
今後、さらに多くのペットオーナーにこの商品が受け入れられ、愛媛県の地域活性化にもつながっていくことを願っています。