犬猫の熱中症の実態と飼い主の対策の現状を徹底解析

近年、日本において非常に厳しい暑さが続き、私たちのペットである犬や猫の健康にも影響を与えています。特に、熱中症のリスクは飼い主にとって避けられない課題となります。最近、株式会社TYLが実施した「犬猫の熱中症に関する意識調査」において、飼い主の認識や対策に関する重要なデータが明らかになりました。

調査背景

2023年も、全国各地で記録的な暑さが観測されています。このような背景から、TYLはペットの健康を守るための環境作りを進めると共に、犬や猫の熱中症についての実態を明らかにするための調査を実施しました。調査は、犬猫の飼い主521名を対象に行われ、彼らの経験や知識、実施している対策に関する情報を収集しました。

熱中症経験の実態

調査結果によれば、4割近くの犬猫が今までに熱中症を経験したことがあると回答しており、特に犬ではその割合が6割を超えることが分かりました。猫も約2割が経験済みであり、飼い主の中には犬猫両方を飼っていて、そのどちらかが熱中症になったというケースも見受けられました。このデータは、犬が散歩などで外に出る機会が多いことから、熱中症のリスクが高いことを示しています。

飼い主の対応

熱中症になった場合、約9割の飼い主が動物病院を受診すると回答しており、その際の主な症状としては「ぐったりしている」という声が最も多く挙げられました。次いで、「食欲がない」や「水を飲まない」といった症状も一般的です。

いったん熱中症にかかると、早急な対処が求められます。多くの飼い主がペットの異常を察知したものの、熱中症に関する知識は不足していることが課題です。実際に、飼い主のうち正しい熱中症の知識を持っていると自信を持つ人は約4割にとどまり、多くが不安を感じているとの結果が出ました。

対策の実態

今年の夏に熱中症対策を施していた飼い主は8割を超えています。最も多かった対策は「水分をこまめに与える」ことで、これが75.1％を占めています。部屋の温度管理にも多くの飼い主が意識を向けており、73.5％の方がその重要性を認識しています。そして、徐々に流行している涼しい時間帯に散歩をするなどの工夫がなされています。

しかし、引き続き多くの方が熱中症の正しい対策や知識に不安を感じている点は注視すべきでしょう。例えば、ペットの熱中症の症状を理解していない飼い主が多いことから、今後さらなる啓蒙活動が必要とされています。

獣医師のコメント

TYLの取締役であり獣医師の藤野洋氏は、「ペットの熱中症には、特に注意して観察すべき症状がある」と警告しています。激しいパンティングやぐったりした様子が見られた場合は、すぐに病院へ連れて行くことが重要です。また、熱中症から回復するための処置も動物病院で迅速に行われます。早期発見と冷却処置が命を救うことにつながるのです。