三井住友ファイナンスが「SakAI」を発表
三井住友ファイナンス&リース株式会社(以下「SMFL」)は、2024年10月に発表した「drive DX 2030」プロジェクトの一環として、生成AIを活用した新たなSaaSプロダクトの展開を明らかにしました。12月3日には、メディア向けのラウンドテーブルを開催し、自社開発の生成AIツール「SakAI(仮称)」を初めて公開しました。
SMFLの「drive DX 2030」プロジェクトとは
SMFLは2030年を見据え、「モノに関するSaaSのトップランナー」を目指すことを目標に掲げ、様々な社会課題の解決に貢献することを約束しています。このプロジェクトは、金融と事業の融合、及びデジタル化を通じて、顧客の成長を後押しするものです。
drive DX 2030公式ウェブサイト
独自に開発したSaaSプロダクト「assetforce」は、モノのライフサイクルや生成されるデータの管理を効率化する役割を担っています。今回のラウンドテーブルでは、assetforceと新たに導入される生成AIツール「SakAI」により、セールスプロセス改善と顧客体験の向上を実現する取り組みについて詳細が発表されました。
セールスプロセスの革新
まず、SMFLのDX推進部の縄野 雄大氏が、assetforceセールスの特徴と、「SakAI」を活用したセールスプロセスの変化について説明しました。「assetforceのセールス活動は単に契約を結ぶことではなく、顧客の問題解決を徹底的にサポートし、顧客が自走できるようになることを目指しています」と述べ、セールスの強みを以下の三点にまとめました。
1. 金融サービスとSaaSプロダクトの理解を深め提案ができること。
2. リース提案を通じて顧客のビジネスを深く理解する能力。
3. assetforceの具体的な運用法とアジャイル的なアプローチが実施できること。
「SakAI」は、これらの強みを活かすために開発され、過去のセールスナレッジを学習して全社的な成果の集合知を築くことを目的としています。実証が始まった10月以来、各種提案活動にも大いに役立っているとのことです。
「SakAI」の機能とデモンストレーション
続いて、デジタルラボの寺尾 宣彦氏が、自社開発の「SakAI」について詳細を解説しました。驚くべきことに、SakAIはわずか2ヶ月で現場での実証運用を開始しています。
「SakAI」は、営業プロセスの変革のみならず、導入から運用フェーズにおいてもサポート役割を果たします。具体的には、過去の導入事例を数秒で検索し、それに基づいたアポイントメールの作成を可能にし、初回訪問時から具体的な運用イメージを持たせることができます。これを実現することで、顧客にとってわかりやすい提案が可能になり、導入までのステップをスムーズに進められます。
未来への展望
最後に、理事・デジタルラボ所長の藤原 雄氏が「SakAI」の今後の展望を語りました。「今後、SakAIはassetforce以外のSaaSプロダクトにも活用範囲を広げ、全体の質の向上を図ります。また、顧客にはプロダクトの利用体験を最大限に生かし、ITスキルに依存することなく、より多くの人々が使いやすい環境を整えていくことを目指します」と述べ、テクノロジーの力で顧客の業務変革を加速させる方針を示しました。
この取り組みは尚、プロダクトのセールスから導入、さらには顧客体験までを根本から変革することに寄与するでしょう。SMFLは、生成AIを搭載したSaaSプロダクトの新たな可能性を切り開きつつあります。