エンジニア離職率7%未満を実現したオーエムネットワークの挑戦
新潟県新潟市に本社を構えるオーエムネットワーク株式会社は、業務システム開発のリーダーとしてエンジニアの技術力向上に重きを置いています。特に、月に一度開催される「開発部勉強会」は、エンジニア同士が学び合うプラットフォームとして注目されています。この取り組みの結果、エンジニアの離職率は業界平均よりも低い7%未満を記録しており、新卒の3年以内定着率は90%以上に達するなど、社員の成長を促進する環境が整っています。
人材不足が深刻化する中での戦略
経済産業省の調査によれば、2030年までに最大79万人のIT人材が不足するとされています。この状況の中で、オーエムネットワークは「今いるメンバーを育て、定着させる」という戦略を選びました。新潟という地方でエンジニアを外部から呼び込むのは容易ではありませんが、内部から人材を育てることで、質の高いエンジニアを維持することが可能であると判断しました。
勉強会の運営は多様な観点から
オーエムネットワークの勉強会は全てのエンジニアが発表者として参加するため、初級者から上級者までが知識を共有する機会が設けられています。新入社員は基礎技術について学んだ内容を発表し、中堅社員は業務上の課題解決事例を、上級エンジニアは最新技術や専門知識を披露します。このように、知識の共有が進むことで、学習定着率も高まるという「ラーニングピラミッド理論」に基づいた取り組みが行われています。
発表形式の改善
勉強会は初期の段階でいくつかの課題に直面しました。特に、発表テーマの偏りやスキルレベルの違いが問題視されました。それを解消するために、オーエムネットワークは勉強会の形式を改善し、初級者と上級者で二部制に分けて実施しています。これにより、初級者も気軽に発表できる環境が整いました。
さらに、初級者の発表時にはマネージャーが事前に内容を確認するプロセスを導入。これにより、発表者自身の理解も深まり、若手社員が安心して挑戦できる空間が生まれました。
今後の展望
オーエムネットワークは、この勉強会制度を進化させることで、地方におけるIT人材育成の新たなモデルを提案しようとしています。地元の大学や専門学校との連携を強化し、より多くの若者がIT業界で活躍できる環境を造ることを目指します。また、勉強会のノウハウをオープンソース化することも検討しており、同じ課題を抱える地方のIT企業への支援を行う予定です。
オーエムネットワークの目指すビジョンは、人的資本経営の重要性も踏まえた上で、IT人材不足問題への解決策を見出すことです。地方都市でもIT人材の育成や定着が可能であることを示す成功事例として、今後も持続的な改善を重ねていくつもりです。
会社概要
- - 会社名:オーエムネットワーク株式会社
- - 所在地:新潟県新潟市中央区
- - 代表取締役社長:山岸真也
- - 事業内容:業務システム開発
- - 提供Web:オーエムネットワーク