建設業界の未来を見据えた「働き方研究会」開催される
2025年11月26日、東京都新宿区の京王プラザホテルにおいて、助太刀総研が主催する「第1回 建設業働き方研究会」が開催されました。この研究会には、国土交通省や主要建設企業が参加し、業界の未来に向けた重要な議論が行われました。
研究会の背景と目的
建設業界は現在、人手不足や労務費の適正化といった課題に直面しています。これは、建設技能者の処遇改善を目的とした「労務費に関する基準」の導入に関連しており、2025年12月から全面施行される予定です。この基準を契機に、建設業界の構造を大きく変革することが求められています。
研究会は、国土交通省の関係者と、実際に現場を運営している建設企業のリーダーたちが、建前ではなく本音で意見を交わす場として設定されました。実効性を確保するための議論を通じて、参加者同士の協力関係を築くことが目的です。
開催概要
研究会には、31名が完全招待制で参加し、国土交通省からは伊勢尚史参事官が登壇。国土交通省の立場から「労務費に関する基準制度について」の講演が行われました。これにより、基準制度の目的や実効性確保に向けたポイントが紹介されました。
主要な議題
1.
基準制度の概要と実効性
伊勢参事官は、労務費の適正化を進める中で、賃金が適切に行き渡るためには制度の実効性をどのように確保するかが重要であると強調しました。特に、「労務費ダンピング」を防ぐための各種措置について言及があり、価格交渉の実態を把握するための見積書保存の義務化についても説明されました。
2.
質疑応答と意見交換
参加企業からは、制度の実効性に関して具体的な疑問が次々と出され、特に「斟酌」や「努力義務」による影響について懸念が示されました。また、技術力や動員力に基づいた業者選定への期待も表明され、業界の将来像について積極的な意見が交わされる場面が見られました。
総評と今後の展望
研究会の最後に、助太刀の社外取締役・木村実氏が総評を行い、「標準労務費の背景にある人材確保と処遇改善の重要性」を強調しました。また、制度の広報活動と現場での定着を促進することが未来に向けた希望につながるとしました。
参加企業・団体
研究会には、一般財団法人建設経済研究所や株式会社大林組、清水建設株式会社など、業界のリーダー企業が集まり、それぞれの視点から議論を展開しました。参加企業の多様な意見を反映させることで、施策が現場にどのように影響を与えるかに焦点を当てた内容となりました。
助太刀総研とは
助太刀総研は、「建設現場を魅力ある職場に」というミッションのもと、建設業界のデータ分析や参加者間の意見交換を通じて未来のビジョンを探求しています。今後もこのような勉強会を通じて、建設業界の改善と発展に寄与していきます。