九州大学で講演
2025-12-23 16:40:25
サイファ・コア株式会社が九州大学で特別講演、量子耐性技術の未来を語る
量子耐性暗号の未来を探る講演
2023年10月、サイファ・コア株式会社の中村宇利代表が九州大学にて特別講演を行いました。この講演は、同大学大学院システム情報科学研究院情報学部門サイバーセキュリティセンターにおける「量子耐性・完全暗号技術」というテーマで実施され、暗号理論、AI、通信セキュリティに精通した研究者や産業界の関係者が集いました。
講演の背景と目的
講演の目的は、急速に進化する量子コンピュータの技術がもたらす情報セキュリティへの影響を深く理解し、今後の課題や展望を明らかにすることです。特に、量子コンピュータの普及が既存の暗号方式に及ぼす脅威が強調され、参加者たちの関心が集まりました。
暗号崩壊の可能性
中村代表は、RSAなどの一般的な公開鍵暗号方式が将来的に量子コンピュータによって簡単に解読されるリスクを指摘しました。「Store Now, Decrypt Later」という新たな脅威についても触れ、「量子コンピュータが暗号を破るだけでなく、私たちのデジタル社会における信頼そのものを崩壊させる可能性がある」と警鐘を鳴らしました。
新たなセキュリティモデルの提案
従来の境界防御型やネットワーク重視型のセキュリティモデルには、内部への侵入リスクが常につきまといます。中村代表は、真の情報セキュリティは「システムを守るのではなく、情報そのものを守ること」から始まると述べました。これにより新たなアプローチが必要であることを強調しました。
完全暗号技術の紹介
講演の中心となったのは、同社が研究・開発中の次世代暗号基盤「Complete Cipher(完全暗号)」です。このシステムは、計算資源に依存せず、理論的に解読不可能であることを目的としています。中村代表は「たとえ機密情報が窃取されても、完全暗号で暗号化されたデータはもはや『情報』とは言えない」と力説しました。
国際的な動向と産学連携
講演では、米国や日本、EUにおけるポスト量子暗号導入の進展や、量子コンピュータの国際的な開発動向も話題に上がりました。これに伴い、学術界と産業界の連携が非常に重要であることが強調され、九州大学との共同研究協定締結に向けた議論も進められています。具体的には、量子耐性通信システムの構築や、AIを利用した情報汚染対策、安全な医療データアーキテクチャの設計が協力分野として挙げられています。
参加者の反響
講演の終了後、九州大学の櫻井教授は中村代表の話を「ポスト量子時代の情報セキュリティの方向性を明示した極めて示唆に富む内容であった」と評価しました。また、参加者からは「従来の常識を覆される内容だった」や「理論と実装の両面に通じた刺激的な講演だった」といった感想が寄せられ、大いに盛り上がりを見せました。
このように、サイファ・コアの取組みは、ポスト量子時代における情報セキュリティの未来を切り開く大きな一歩となることでしょう。
会社情報
- 会社名
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サイファ・コア株式会社
- 住所
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