株式会社アットマークテクノが開発した「Armadillo-900」の魅力
北海道札幌市に本社を構える株式会社アットマークテクノが、新たに発表したのが、超小型で省電力な実装型CPUモジュール「Armadillo-900」です。この製品は、NXPセミコンダクターズ製のSoC「i.MX 8ULP」をベースにしており、31mm角のサイズでありながら、高性能なIoT機器の開発を可能にしています。
IoT機器開発の新たな選択肢
IoT機器の開発は、近年ますます需要が高まっていますが、その一方で設計には高い技術力が求められることから、ハードウェア設計者は多くの課題に直面しています。このような中、「Armadillo-900」の導入は、手間を大幅に削減し、迅速な開発環境を提供します。実装型のCPUモジュールには、SoC、メモリ、ストレージ、電源回路が高密度に集積されています。
特に、この製品に搭載されている「Armadillo Base OS(ABOS)」は、IoT機器向けに設計されており、セキュリティ機能が充実しています。これにより、ユーザーは省電力で安全な製品を短期間で開発できるのです。
高い省電力性と機能性を両立
本製品には、28nm FD-SOIプロセスで製造された「i.MX 8ULP」が搭載されています。このSoCは高い処理能力を持ちながらも、省電力性が非常に優れており、Shutdown、Deep Sleep、Sleep、Activeの4つの動作モードを選択できるのも大きな魅力です。これにより、バッテリー駆動が可能なモバイル端末への搭載が実現しています。
また、ヘテロジニアスマルチコアを利用したLinuxおよびFreeRTOS環境も整っており、これにより通信機能やGUIを扱うLinuxアプリケーションと、高速な処理を必要とするアナログ計測用アプリケーションを柔軟に組み合わせることができます。
セキュリティも考慮した設計
ABOSはLinuxベースのコンテナアーキテクチャを採用したOSであり、JC-STARに適合しやすい構造を持っています。これにより、開発者は煩雑な手続きなしに安全なIoT機器を手掛けることが可能です。さらに、IoT機器の運用管理が行える「Armadillo Twin」との連携により、死活監視や遠隔操作も実現します。
展示会情報と今後の展開
「Armadillo-900」は2025年春に発売予定で、サンプル価格は15,000円(税別16,500円)です。発売を前に幕張メッセで開催される「Japan IT Week 秋」での展示が予定されています。これは、IT業界の重要なイベントとして多くの注目を集める機会となるでしょう。
アットマークテクノは、2001年の初代機から20年以上に渡り、累計80万台を超える省電力CPUボードを提供し続けており、「Armadillo」はその名を轟かせています。IoTの進化は止まることなく、今後もさらなる展開が期待されます。関連情報は、アットマークテクノの公式ウェブサイトにてご確認ください。
まとめ
「Armadillo-900」は、省電力でありながら高性能なIoTデバイスの開発を支援する新たなツールとなることが予想されます。迅速かつ安全なIoT機器の開発が促進されることで、我々の日常生活やビジネスシーンにも影響を与えることでしょう。期待が高まります。