AIと支援者の協力による障害者就労支援システムの実証開発
株式会社Quixotiks(キゾティクス)は、2023年に設立された企業で、AIを用いたメンタルヘルスや就労支援に特化したプロダクトの開発を行っています。この度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成を受け、2026年度「SBIR推進プログラム」において、精神・発達障害者向けの就労定着支援システムの開発に着手することが決定いたしました。
障害者雇用の現状と課題
近年、障害者に対する雇用が進んでおり、民間企業における精神障害者の雇用人数は前年比15.7%増の約15万人となりました。
しかしながら、精神・発達障害者の平均勤続年数は約5年と短く、その主な原因はメンタルな不調に起因していることがわかっています。このような苦境に置かれた就労者の支援を強化するため、本プロジェクトでは、AIと人間の支援者が連携し、持続的な労働環境の提供を目指しています。
プロジェクトの内容
新しい就労支援システムは、当社の独自対話AI「QX Engine」を搭載したAI対話アプリと、支援員向けの管理ダッシュボードを組み合わせた形で構成されます。
利用者は、日常的に用いるLINEを通じてAIと対話し、セルフケアや生活リズムの管理をサポートされます。一方、支援員はダッシュボードを通じて、利用者の健康状態を把握し、必要に応じて専門的な支援へとつなげる仕組みです。
これまでの実証実験では、12名の精神・発達障害者を対象にQX Engineを63日間使用した結果、自己効力感が20.1%向上し、支援員による声掛けの頻度が平均38%減少しました。これにより、AI支援がどのようにチームの負担を軽減し、効果的な支援につながるかが明らかになってきました。
実施と評価
本プロジェクトは、中央大学文学部の高瀬堅吉教授の監修のもと、全国各地の就労支援施設でAI対話アプリの実証と評価を行います。また、利用者の状況を記録し、他の生成AIと比較することで、システムの安全性と有効性を科学的に検証します。
今後の展開
本プロジェクトは2027年3月までのフェーズ1を経て、フェーズ2では製品化を進め、2028年度には市場投入の予定です。目指すは、3年後に200事業所への導入を実現し、障害者の就労定着を支える社会的なインフラの確立です。
SBIR推進プログラムとは
SBIR(Small Business Innovation Research)は、創業企業や中小企業が研究開発を行う際に支援を行い、その成果を社会実装へと結びつけるための制度です。NEDOのSBIR推進プログラムに採択されたことで、当社は国の政策課題に連動した形で研究を進めることが可能となりました。
会社概要
- - 会社名:株式会社Quixotiks(キゾティクス)
- - 所在地:東京都渋谷区
- - 設立:2023年10月
- - URL:Quixotiks公式ページ
この新しいシステムが、障害者の就労環境を改善し、持続可能な労働参加を促進することを期待しています。