退職代行サービスに関する調査:非弁行為リスクが浮き彫りに
近年の働き方において、退職代行サービスの利用が増加しています。その背景には、退職をスムーズに進めたいというニーズの高まりがあります。しかし、これに伴い、非弁行為に対する懸念も寄せられています。株式会社Wandering Seagullが実施した調査結果から、利用者の不安や実態が明らかになりました。
調査の概要
退職代行サービス『だいじょうぶ』を運営するWandering Seagullは、20代の若手社会人男女を対象に退職代行サービスの理解度について調査を行いました。調査期間は2025年11月28日から12月3日まで、合計1,034人からのデータを得ています。
退職代行サービスを選ぶ理由
調査によると、退職代行サービスを利用した理由は、精神的負担の軽減(55.5%)、即日退職の希望(29.7%)、上司との対話に対する恐怖(26.6%)といった点が上位に挙げられました。退職する際のストレスを少しでも減らしたいと考える人が多いことがわかります。
不安や懸念
一方、退職代行サービスの利用に対する不安も多いことが調査結果から浮かび上がりました。特に、業務の引き継ぎができないことや、会社との人間関係の悪化について心配する声が多く、約3割の人が「違法リスク」を懸念しているという結果が出ました。
サービス範囲の説明不足
退職代行サービスを利用したことがある人に対して、具体的な対応内容を尋ねたところ、最も多かったのは退職意思の伝達(39.3%)や即日退職希望の伝達(36.5%)でした。しかし、退職代行業者による交渉に関わる行為も約1割が経験しており、法律に抵触する可能性のある対応を受けていることがわかりました。
非弁行為という理解の重要性
調査では、退職代行サービスの利用者の約8割が非弁行為に関して「明確に理解している」と回答したものの、依然として多くの人が具体的な内容についての理解が不十分であることもわかりました。特に、交渉と希望伝達の違いについては、3割の利用者が理解していないと答えており、より丁寧な情報提供が求められています。
企業文化と社会的認知の課題
調査の中で、世間にもっと広まってほしい意見として、「退職代行の利用は非常識ではない」という認識の浸透や、労働環境の改善を求める声が多く寄せられました。多くの利用者が、心の負担を軽減する手段としての役割を果たしてほしいと考えています。
選択基準と弁護士の役割
退職代行サービスを選ぶ際には、価格の安さ(34.7%)、弁護士監修(33.7%)、退職成功率の高さ(31.0%)が注目され、安心して利用できるサービスを求める傾向が見受けられます。弁護士との連携は法的リスクを抑える上でも重要な要素となるでしょう。
まとめ
退職代行サービスは、精神的な負担を軽減する上で重要な役割を果たしていますが、非弁行為についての理解不足が明らかになりました。今後、利用者と提供者双方が理解を深め、法的リスクを避けるための透明性のあるサービス提供が求められます。退職を希望している方にとって、『だいじょうぶ』のようなサービスがより活用されることを期待し、社会全体で認知が広まることが重要です。