日本触媒と日触物流による革新の取り組み
物流業界において、効率化が急務とされる中、日本触媒とそのグループ会社である日触物流が、株式会社Hacobuの「MOVO」シリーズを導入しました。この新たなシステムは、トラック予約受付サービス「MOVO Berth」と配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」を通じて、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させています。これにより、約2,000時間の業務作業時間の削減を達成する見込みです。
導入の背景
現在、物流業界は人手不足や長時間労働といった深刻な課題を抱えています。政府が2025年に施行する「改正物流関連2法」では、企業に対してその効率化を強く求めています。日本触媒は、グローバルでの高いシェアを誇る化学メーカーであり、姫路製造所での荷待ち時間削減が急務とされました。この現場では、過去に表計算ソフトや紙台帳を用いたアナログな管理が行われており、急な予定変更に柔軟に対応することが困難でした。
「MOVO」シリーズの特長と導入内容
MOVO Berthの導入による効果
2024年11月、日本触媒の姫路製造所で「MOVO Berth」が導入されました。このシステムにより、車両の到着時間を担当者間で共有できるようになり、荷役の集中を避けることができます。これによって、ドライバーの荷待ち時間が大幅に削減されました。また、受付状況や車両到着がリアルタイムで可視化され、利用者の利便性が向上しました。これにより、表計算ソフトを使用した際に発生していたトラブルが解消され、業務のコミュニケーションも円滑になっています。
MOVO Vistaの導入で配車業務が効率化
2025年7月には、日触物流姫路事業所で「MOVO Vista」の導入も決定しました。これにより、SAP出荷データとの連携が可能になり、従来はFaxや表計算ソフトで行われていた煩雑なやりとりが削減されます。配車情報はリアルタイムで共有され、業務の標準化や可視化が進むことで、さらなる効率化が期待されています。
先進的な基幹システム連携
新たなシステムは、SAP基幹システムと連携しており、出荷データとMOVOの情報を密接に結びつけることで、実績データの正確な管理が実現しました。また、RFID(無線周波数識別)技術も導入され、入場時の手間が省かれることにより、効率的なデータ収集が可能になります。
導入後の展望
日本触媒と日触物流は、今後も更なる改善を目指し、データ活用の範囲を拡大していく予定です。バースごとの荷待ち時間や拘束時間についての解析を行い、全体の滞在時間短縮に努めています。また、他拠点への導入を進めることで、物流の全体効率を高め、業務の進展を図る考えです。
導入に対する受け止め
導入担当者からは、初期の混乱を経て運用がスムーズに定着したとの声があります。RCF社のサポートを受け、導入部門が目的を共有しながら取り組むことで、効率化に繋がる実感が得られています。今後も現場の特性に応じたシステム活用が期待される中、業務環境の改善が進んでいくことと思われます。
この取り組みは、業界全体が抱える効率化の課題解決に向けた重要な一歩であり、他の企業にも大きな影響を与えるものと期待されています。