梅の不作の中でも安定供給を目指す河鶴
和歌山県みなべ町で、株式会社河鶴が地元産の梅を使用した梅干しの漬け込み作業を7月4日(金)に開催する。ここでは、梅干しづくりの最盛期を迎え、地元の豊かな風土を活かした商品開発が行われる。河鶴の代表取締役である河島伸浩氏が工場を訪れ、職人たちと共に生産作業を行う様子は、地域密着型のビジネスモデルの一環である。
地域密着型の食品メーカー
創業50年を迎えた河鶴は、和歌山県和歌山市を拠点に、国内外で事業を展開している。特に、地域の契約農家との信頼関係を築くことで、様々な調達ルートを確保し、安定した品質の梅を漬け込むことができている。
今年は、2024年に続いて梅の不作が続いているが、河鶴はこの厳しい状況を乗り越え、例年と同規模の梅を確保するために、農家や取引先との関係をより深めている。ビジネスモデルは、地元の梅を活かすことで、全国の食卓に高品質な梅干しを届けることを目指している。
受粉不良と雹の被害
2025年にはさらに厳しい状況が続いている。寒の戻りによって受粉がうまくいかず、さらには4月に降った雹の影響で、梅の被害が全国的に広がってしまった。被害額はなんと数十億円にも達するという。これにより、梅の収穫が大きく影響を受け、平年の生産量を維持することが困難な状況にある。
二度漬け製法のこだわり
河鶴が提供する梅干しの中で、特に注目されるのが「二度漬け製法」だ。この手法を用いることで、梅本来の風味を残しつつ、豊かで深い味わいを引き出すことが可能だ。もちろん、使用する味付けも極めてシンプルで、はちみつ梅としそ梅の2種類のみを提供している。このこだわりが河鶴の品質を支える要素となっている。
未来を見据えた取り組み
河鶴は、持続可能な仕入れ体制を構築し、地域との信頼関係をより一層強化することで、これからの厳しい時代にも対応できる準備を整えている。2025年に期待される梅干しの漬け込み作業は、河鶴にとって新たな挑戦となる。
全国でも有名な梅の産地であるみなべ町。その地で培われた技術と信頼関係が、豊かな味わいを生むことに直結している。河鶴は、伝統に支えられた革新的な取り組みを通じて、梅干しの製造における新たな時代を切り拓こうとしている。
結論
梅干し製造の現場を訪れることで、河鶴が取り組む地元産品の価値や、食の安定供給に向けた努力を見ることができるだろう。今後も、地域と世界を繋げる役割を果たしながら、持続可能な社会の実現を目指していく河鶴の姿勢に注目したい。