データ復旧市場の現状
2024-09-30 13:37:06

2023年のデータ復旧市場:現状と今後の課題を探る

2023年のデータ復旧市場:現状と今後の課題を探る



一般社団法人日本データ復旧協会(略称:DRAJ)は、2023年のデータ復旧市場の規模に関する統計データを発表しました。この調査によると、ハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)の復旧依頼台数は、昨年と比較して73,400台と推定されています。内訳は、パソコンが55,200台、外付けが15,400台、サーバーが2,800台です。

この背景には、個人向けパソコンの販売台数の低迷や、法人向けの販売では中上位製品への需要が見られるものの、全体的には3年連続で減少傾向が続いています。また、外付けデバイスは、HDDからSSDへの移行が進んでいるものの、パソコンの販売台数の減少が影響を及ぼし、全体としては復旧依頼率を維持しながらも減少しています。

サーバーの状況については、オンプレミスからクラウドへの移行が進む中、大規模なデータに影響を与えるランサムウェアの被害が増えています。このため、復旧依頼の相談件数も増加しており、協会にとっては引き続き重要な課題となっています。

データ復旧業界全体では、個人と法人の両者において復旧依頼台数はわずかに減少傾向が見られ、最近ではWindows11に対応したパソコンのセキュリティ機能による暗号化がデータ復旧作業に影響を及ぼす事例も増加しています。特に、ユーザーが意識していない暗号機能によって復号が困難になるケースが目立つため、協会は来年10月にサポートが終了するWindows10からWindows11への移行時に「Microsoftアカウント登録」や「BitLockerの回復キーのバックアップ」を確実に行うことを強く推奨しています。

さらに、データ復旧サービスに関連するトラブル相談も依然として多く、今後も公益性のある活動を強化することを約束しています。具体的には、昨年発表した「データ復旧サービスのガイドライン」や「データ被害時におけるベンダー選定チェックシート」を利用者に提供し、問題解決に向けた情報も積極的に発信しています。また、最近のリニューアルに伴い、悪質な業者による「レスキュー商法」の手口を公開し、注意を喚起する取り組みも進めています。

これらの対策を通じて、企業や個人がデータトラブルに直面した際のサービス選定に役立つ資料が提供され、より多くの人々が安心して取引できる環境づくりを目指しています。

2023年の販売台数と復旧依頼データ



以下は、2023年のデータに基づく販売台数および復旧依頼に関する統計です:

  • - PC市場
- 販売台数:1,077.5万台
- データ消失率:0.90%
- 復旧必要台数:65.0万台
- 復旧依頼率:8.50%
- 復旧依頼台数:5.52万台

  • - 外付けデバイス(NAS含む)
- 販売台数:222.7万台
- データ消失率:1.00%
- 復旧依頼率:13.0%
- 復旧依頼台数:1.54万台

  • - サーバー
- 販売台数:34.2万台
- データ消失率:1.00%
- 復旧依頼率:14.0%
- 復旧依頼台数:0.28万台

これらのデータからも、データ復旧業界は厳しい環境にあることがわかります。特にデジタルデータに対する脅威が増している中、ユーザーに対する教育と情報提供が求められています。今後もDRAJは、利用者が安心してデータ復旧サービスを利用できるよう情報提供を行っていきます。

会社情報

会社名
一般社団法人 日本データ復旧協会
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