日本の教育現場における初任者教員の支援状況について、全国で行われた教職員アンケートの結果をもとにお伝えします。この調査では、教員経験のない初任者や経験がある初任者の配置状況、業務負担、学級担任の担当状況などが詳しく報告されました。
調査の概要
本調査は、全国の小学校から高校までの一条校に勤務する教職員を対象に実施され、期間は2025年5月から6月までの約1カ月にわたります。調査方式はインターネットを用いて行われ、合計で50件の回答が寄せられました。
結果の要約
ここではいくつかの質問内容についてお伝えします。
Q1: 初任者教員の在籍状況
62%の学校で教員経験のない初任者が在籍しており、最も多いのは1名配置の学校でした。また、小規模な学校でも複数の初任者が配属されているケースもありました。校種別に見ると、小学校が約1.5人と多く、続いて中学校・高校と続くバラツキが見られました。
Q2: 経験のある初任者の配置状況
教員経験のある初任者は、全体の50%の学校で配置されており、配置数は1名が最も多く、平均して約0.9人となっていました。
Q3: 初任者の業務量
教員経験のない初任者は、「15〜19コマ」や「20〜24コマ」を担当することが多く、特に小学校でその傾向が顕著です。過去の調査では小学校教員の74%が20コマ以上の持ちコマ数を持ち、過剰な負担を感じていることが示唆されました。
Q4: 学級担任の状況
初任者の多くが学級担任を任されており、小学校では9割以上の学校でこの傾向が見られます。中学校や高校では教科担任制が影響し、担任配置は減少しています。
Q5: 指導科目の担当状況
実施したアンケートでは教員経験のない初任者でも多くが1人で教科を担当しています。
Q6: 部活動の主顧問について
初任者における主顧問の担当も目立っており、特に中学校での「副顧問なしでの主顧問担当」が見られました。全体としては約28%の学校で主顧問を経験しています。
まとめ
結果から、教員経験に関わらず多くの初任者が一般の教員と同様の業務負担を担っていることがわかります。特に小学校での負担が大きく、改善の余地があることが明らかになりました。
支援の必要性としては、段階的な業務移行の仕組みや相談しやすい環境づくりが挙げられており、教員を育成し、教育の質を保証するための方策が求められています。
今後、「教員不足」が問題視される中、初任者を支える仕組みの構築が今まで以上に重要になってきています。これにより、持続可能な教育環境の実現へ向けた取り組みが進むことが期待されます。