AI技術を駆使した動画タイトル最適化システムの導入について
株式会社CLIPが、切り抜き動画やショート動画の制作において、新たにAI技術を導入したことを発表しました。このシステムは、各IP(知的財産)の特性に合わせた最適な「動画内タイトル」を自動生成することが特徴です。これにより、再生数を左右する重要な要素であるタイトルの最適化をデータとAIで実現し、紅生姜の運用から脱却し効率化を図ることができます。
昨今の動画市場環境とタイトルの重要性
近年、短い動画の供給量は増大し、似通った内容の動画が山のように投稿されています。このため、どの言葉を選ぶか、どの順序で並べるかといった動画タイトルの設計が、再生数に直結する肝心な要素となっています。
株式会社CLIPは、4万本以上の切り抜き動画データを分析した結果、以下の事実を明らかにしました:
1. IPごとに刺さる言葉の傾向が異なる。
2. 同一素材でも、タイトルが異なるだけで再生数に大きな差が出る。
これらの結果をもとに、感覚に依存しないIP特化型のタイトル生成AIの開発が進められることとなりました。
AIによるIP特化型タイトル生成の特徴
今回導入されたAIシステムは、複雑な人間の感情やIPの文脈を反映させたタイトル生成が可能です。具体的には、以下のような特性が挙げられます:
- - 視聴傾向の学習:アニメやドラマ、VTuberなど、ジャンルやIPごとに成功したタイトルや視聴者がキレることが多かったタイトルを学習し、最適な言葉を選べる能力。
- - 感情や関係性を考慮:ただの要約ではなく、視聴者の「怒り」や「笑い」、さらには登場人物間のつながりを考えたタイトル生成が可能です。
- - 運用文言の一括最適化:動画内タイトルだけでなく、冒頭テロップやサムネイルの短い説明文、さらにSNS用の文までを一括生成し、投稿運用をスムーズにします。
- - 人によるチェックのハイブリッド運用:AI生成タイトルに人間が最終確認や微調整を加えることで、機械的な運用によるリスクを軽減しています。
実際にもたらされる成果
このAIシステムの導入により、次のような具体的な成果が確認されています。視聴の維持率が向上し、特に冒頭3秒の視聴継続率が向上しました。また、平均再生数も底上げされ、同素材からの再生数のばらつきも縮小される結果となります。これにより、CLIPは、切り抜き動画が編集技術だけでなく、言語設計も重要視される時代に突入したと理解しています。
未来の展望:言語設計のSaaS化
今後、CLIPではこの技術を基にさらなる事業展開を考えています。具体的には、IP別のタイトル生成AIを外部提供したり、広告案件向けに特化したタイトル最適化を行ったり、さらには海外展開に向けた多言語タイトル生成を進める予定です。切り抜き動画における言語設計のSaaS化を目指すことで、新たな価値を提供していくことを目指しています。
代表からのメッセージ
代表取締役の山本真司氏は、「切り抜き動画は編集だけでなく、言葉の設計が結果に大きな影響を与える時代に入っています。IPごとに必要な言葉が互いに異なるため、データとAIを活用してその設計を再現できるようになったのは、大きな進歩です」と語っています。
会社概要
株式会社CLIPは、AIを活かした切り抜き動画生成およびIP権利管理を提供する次世代コンテンツプラットフォームです。YouTubeの動画やラジオ音声、ドラマなど様々なフォーマットからの魅力を引き出し、IP権の管理や収益分配の一元化を行っています。切り抜き動画マーケティングの支援に加え、多様なコンテンツを最適な形で届け、新たな体験を提供することに注力しています。さらに、次世代のコンテンツ流通インフラの構築にも力を入れている企業です。
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