熊本市が導入した個別最適化の学校体力テストシステムとは

熊本市が目指す教育の未来

熊本市は、約74万人の市民が暮らし、日本最南端の政令指定都市として知られています。この度、熊本市は個別最適化された学校体力テストデータを導入し、運動能力向上を目指しています。この取り組みは、教育ICT環境の整備を進める中で誕生しました。

背景ときっかけ

2016年に熊本地震が発生し、その復興の一環として子供たちの教育環境を整える重要性が再認識されました。特に、災害とコロナ禍によって子どもたちの運動不足や体力低下が懸念されています。そこで、熊本市は『DOSA SCHOOL』というシステムを導入し、体力テストのデジタル化を進めることにしました。このシステムは、教職員の負担を軽減しつつ、児童生徒の運動能力を向上させることを狙っています。

デジタル化の導入と手法

2022年4月から、熊本市内の小中学校で『DOSA SCHOOL』が導入されました。体力テストが行われる5月から6月にかけて、児童生徒はタブレット型端末を介して測定結果を入力します。その後、分析された結果が教員に提供され、授業の改善や個別指導に役立てられます。また、結果は7月上旬に個別に配布され、児童生徒は自分の成績を確認できます。

このデジタル化により、学校ではアナログな方法からITを駆使した体制へと変貌を遂げ、教職員の作業負担が大幅に軽減されます。また、自動集計と分析機能により、数万人規模のデータを瞬時に処理できるようになります。

子どもたちへの影響

『DOSA SCHOOL』は、子どもたちにMyページを提供し、自分の成績を簡単に把握できる機能を用意しています。このページでは、自分の記録が全国や都道府県の平均とどれだけ違うのかを視覚的に示すことができ、さらには「楽しくできる遊び」や「トレーニング」を提案します。これにより、運動意欲の向上と運動能力の向上が期待されます。