ヤマハ発動機のプロジェクトが挑戦する新たな哲学対話のスタイル

ヤマハ発動機の哲学対話による新たな知の探索

製造業界でも注目を浴びているのが、ヤマハ発動機株式会社の技術開発統括部における革新的な取り組みだ。最近、同社のプロジェクトリーダーたちが哲学者との対話を通じて「遊び」について深く考える機会を持った。この取り組みは、単なるチームビルディングの枠を超え、知の探索としての側面に重きを置いている。

▶︎ 導入の目的

プロジェクト推進部に所属する江口さんと寺田さんが語るように、異なるプロジェクト間で化学反応を生むことが重要視されていた。この新たな試みは、プロジェクトリーダー間の関係性を強め、より大きな成果を目指すための糧とすることが狙いだった。「遊び」とは何か、今後必要とされる遊びとはどういうものかを探求する場が提供された。

▶︎ 実施内容

参加者たちは、哲学者のファシリテーションを受けながら「遊び」というテーマについて自由に意見を交わした。対話の形式は、参加者が自身の文脈を共有しつつ、柔軟に見方を更新していくことを重視していた。後日、その対話を基にした哲学者の分析レポートも作成され、参加者たちは新たな洞察を得ることができた。

▶︎ 対話の効果

寺田さんは、対話を通じて「遊び」というテーマに対する理解が意外に広がったと述べている。ヤマハのメンバーが通常考えるバイクや休日の過ごし方を超え、多様な視点から議論が繰り広げられたことが印象的であった。これまでの日常業務では考えられなかった新たな視点を得られたことで、メンバー全員にとって非常に価値のある時間となった。

江口さんは、哲学対話から得た「遊びの4分類」に特に注目している。この4分類（アゴン、ミミクリー、イリンクス、アレア）は、商材や業務の品質を高めるために不可欠な要素であると認識している。日々の業務の中でも、何か物足りなさを感じた時にこれを思い出すことで、問題解決のヒントになると感じている。このように、哲学対話は業績向上だけでなく、メンバーの思考ツールとしても活用されている。