最近、小学館から続々と重版がかかっている一穂ミチの最新作『恋とか愛とかやさしさなら』が話題を呼んでいます。この作品の魅力は、本編の他に特別短編が公開されることで、さらに深まります。
特別短編は「プロローグ」というタイトルで、物語の解像度がぐっと増す作品となっています。本書は、すでに多くの書店員から絶賛の声が寄せられており、その一部を紹介しましょう。紀伊國屋書店の鶴見真緒さんは「一穂さんによって私のブラックボックスが暴かれていく。これがこんなにも甘やかで嬉しいなんて」とコメントし、作品の深さを評価しています。
また、函館蔦屋書店の宮成珠美さんは「誰にも共感していません。それなのにとてもリアルに『わかる』と思いました。このすごい恋愛小説が生まれました」と語り、恋愛小説としてのリアリティを称賛しました。
更に、AKUSHU BOOK&BASEの石田美香さんは「言葉にできない気持ちや感情を文章で突きつけてくる。この読後感はなかなか体験できない」と力強い言葉を寄せています。このように、著者の独特な表現力が多くの読者の心を掴んでいるのです。
その他にも、未来屋書店の加藤知嘉子さんは「読み手によってどうするか結論が違う作品。語り合いたい!」と述べ、作品の多様な解釈を楽しんでいる様子が伺えます。また、TSUTAYABOOKSTOREの鳥山孝治さんは「赦すことが愛なのか。赦せなければ愛はないのか。直木賞受賞第一作にこの物語を持ってくる一穂ミチ先生が好きです」と、その哲学的な側面を強調しました。
特設サイトでは、特製クリアしおりの配布店舗一覧や試し読み、推薦コメント、人物相関図、あらすじ漫画、そして著者直筆コメントなど、様々なコンテンツが公開されています。これにより、読者は作品のさらなる理解を深めることができるでしょう。
『恋とか愛とかやさしさなら』のあらすじは、カメラマンの新夏が5年間交際している啓久との日常から始まります。啓久がプロポーズしてくれた翌日、彼が通勤中に女子高生を盗撮したことで、二人の関係は急変します。この作品は、信じることや許すこと、愛することについての深いテーマが描かれています。男と女の欲望のブラックボックスに迫る一穂ミチの新境地として、多くの読者に受け入れられています。
一穂ミチは、2007年に『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー以来、『イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手掛けてきました。2021年に刊行した『スモールワールズ』は本屋大賞第3位に輝き、直木賞候補にもなっています。22年には『光のとこにいてね』が第3位に、同作でも直木賞候補入りし、さらには島清恋愛文学賞を受賞しました。24年には『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞。このような数々の受賞歴が、彼女の作品に対する期待の高まりを示しています。
『恋とか愛とかやさしさなら』は、定価が1,760円(税込)で、四六判上製240ページを誇ります。2024年10月30日に小学館より発売予定で、ISBNは978-4-09-386739-9です。ぜひこの機会に手に取って、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
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