新たな交通手段「チョイソコ×せんじゅ」始動
2023年8月5日、東京足立区で注目の交通実証実験「チョイソコ×せんじゅ」が北千住駅東口エリアで開始されました。このプロジェクトは、地域住民が主体となった新しい取り組みであり、運転手不足やバス路線の減少等の問題を解決する一手となることを目指しています。
バス路線の終焉と地域の必要性
近年、少子高齢化が進む中、コロナ禍による生活様式の変化が交通利用に影響を与えています。このためバス利用者の数が減少し、足立区内でもバス路線が次々と運行終了に追い込まれています。特に、「北千住駅東口から南千住駅」を結ぶ路線は、2024年3月に終了する予定です。この区間にはいくつかの医療機関が存在し、地域住民にとっての代替交通手段の確保が急務です。
こうした問題に対処すべく、地域協議会が設立され、行政や運営企業と連携し「常東地区オンデマンド交通実証実験事業の実施に関する協定書」が交わされました。これにより、地域に合った交通システムの確立に向けて取り組みが開始されたのです。
チョイソコ×せんじゅの詳細
「チョイソコ×せんじゅ」は、地域のニーズに応えるためにデザインされた乗合型のデマンドタクシーです。運行範囲は北千住駅東口エリアを中心に半径約1キロメートルです。この範囲内には、44の乗降スポットが設けられており、通院や買い物に利用できます。
利用方法は非常にシンプルで、1回の運賃は200円(未就学児は無料)。運行は祝日と年末年始を除く毎週火曜日と木曜日の2つの時間帯(8時〜12時、13時〜15時)で行われ、期間は2025年8月5日から2026年1月30日までの予定です。
予約と利用方法
利用するには、事前に電話またはオンラインでの予約が必要です。予約は利用日の1週間前から、当日の1時間前まで受け付けています。登録さえしておけば、簡単に利用できるのも魅力です。
持続可能な交通を目指して
この実証実験では、利用者からのフィードバックを基に運行計画を適宜見直します。最終的には、持続可能な交通手段の確立を目指し、地域内の交通問題を解決する重要な役割を果たします。地域住民の意見を反映させた新しい交通手段は、今後の日本における都市交通の新しいモデルとなるかもしれません。
足立区地域内交通導入サポート制度
足立区では、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づき、住民が主体となった交通運営を環境整備していく「足立区地域内交通導入サポート制度」も設けています。この制度は、区内の交通課題を解決するために地域と連携して進められています。詳しくは、足立区の公式サイトをチェックしてください。
新しい交通手段「チョイソコ×せんじゅ」は地域コミュニティの力を生かし、より良い移動手段を提供するための一歩です。これからも地域の声が反映された交通システムが増えていくことが期待されます。