夏越の大祓で進化したスマホガタ
日本の伝統行事である「夏越の大祓」が、近年の社会の変容に合わせて新たな形で進化しています。特に注目を集めているのが、諫早神社によって新たに登場した「スマホガタ」です。この取り組みは、現代に暮らす私たちが抱えるさまざまなストレスやケガレを祓うために作られたものです。
夏越の大祓の意義
夏越の大祓は、毎年6月末に行われ、1年の前半で蓄積されたケガレを祓い清めるための神事です。この行事は全国の神社で実施されていますが、各神社によって趣向が異なります。諫早神社では今年も6月15日から7月15日の期間中に「ヒトガタ祓え」や「茅の輪くぐり」などの行事を行っています。
スマホガタの誕生
昨今では、ほとんどの人がスマートフォンを持つ時代となり、その反面、情報過多やSNS疲れなどによる心身の不調も報告されています。こうした現代の問題に応じて、諫早神社はスマホの「気枯れ」を祓うための形代、すなわち「スマホガタ」を新たに整えました。
スマホガタの効果
スマホガタは、単なる物質的な物ではなく、私たちが日常的に持つスマートフォンに宿る「気」にも目を向ける試みです。スマホを通じて受ける目に見えない厄やケガレを祓い、心を清めることができるとされています。伝統的な祓いの知恵が現代にマッチした形で提供されることが、今までにない体験を生むと言えるでしょう。
全国的に珍しい茅の輪くぐり
また、今回の夏越の大祓では三つの茅の輪を設置し、それぞれ「過去の浄化」「現在の厄落とし」「未来の厄除け」といった意味を持ちます。これにより、参拝者は過去から未来へと続く厄を一度に祓うことができます。この三つの茅の輪を九回くぐる「三三九度祓い」は、全国的に見ても珍しいもので、過去・現在・未来を見つめ直す貴重な機会と言えるでしょう。
オンライン授与所の導入
なかなか参拝に行けない方のために、諫早神社ではオンライン授与所を利用したヒトガタの申し込みが可能です。自宅にいながら、ヒトガタや茅の輪まもりを手に入れ、郵送で受け取ることができるという新しいスタイルの神事です。これにより、場所にとらわれず、誰でも手軽に祓いを行うことができるのです。
当日の神事
2025年6月29日には、特別に社殿内で大祓神事が執り行われます。事前に申し込みをすることで、先着で参列できます。参加者全員で厄を祓う祝詞を唱え、巫女舞が奉納される重要な儀式に立ち会うこともできます。
諫早神社について
長崎県諫早市に位置する諫早神社は、奈良時代に聖武天皇の勅命により創設された歴史ある神社です。「開運」「健康」「長寿」の神徳が有名で、現在も多くの人々に親しまれています。
このように、古き良き伝統を新たな方法で受け継ぐことが、現代に生きる人々にとって心の清めを促す重要な役割を果たしています。スマホガタを通じて、日常生活の中で見過ごされがちな心のいやしを見つけてみませんか。