日立冷蔵庫「デリシャス冷凍」開発秘話:鮮度を守る技術へのこだわり
「おいしさ」を追求し続ける日立の冷蔵庫開発。その中でも、冷凍室の鮮度保持技術「デリシャス冷凍」は、日々の食生活を豊かにする重要な機能として注目されています。今回は、この「デリシャス冷凍」の開発秘話を、開発担当者である服部圭介氏に伺いました。
冷凍食品の「味落ち」問題を解決するために
「デリシャス冷凍」は、食品をすばやく冷凍することで、解凍時のドリップ発生を抑え、美味しさを保つ技術です。開発の背景には、冷凍食品の「味落ち」という課題がありました。
従来の冷凍庫では、冷凍速度が遅いため、食品の細胞内に大きな氷の結晶が形成されてしまい、解凍時にドリップとして水分が流れ出て、旨み成分も一緒に失われてしまうという問題がありました。
服部氏は、この問題を解決するため、アルミトレイを活用した冷凍方法に着目しました。アルミトレイは、熱伝導率が高く、食品の熱を素早く奪うことで、氷結晶の成長を抑え、細胞の破壊を防ぐ効果があります。
操作性の向上:温度センサーによる自動化
しかし、アルミトレイだけでは十分ではありませんでした。当時の急冷凍機能は、お客様が手動でボタンを押す必要があり、多くのお客様がその機能を活用できていませんでした。そこで、服部氏は温度センサーを活用することで、急冷凍機能を自動化するアイデアを思いつきました。
温度センサーは、食品の温度を感知し、最適な冷凍条件を自動で設定します。これにより、お客様は冷凍ボタンを押す必要がなくなり、誰でも簡単に「デリシャス冷凍」を利用できるようになりました。
数々の試行錯誤とこだわり
温度センサーの設置場所や制御方法の決定には、多くの試行錯誤が必要でした。外気温や食品の種類、食品の置き場所など、さまざまな条件を考慮し、徹底的な検証を行いました。
「デリシャス冷凍」は、開発担当者の努力とこだわりによって生まれた、画期的な冷凍技術です。食品の美味しさを守り、お客様の食生活をより豊かにする、そんな思いが詰まった機能と言えるでしょう。
お客様の声が開発の原動力に
服部氏は、「開発の過程で、お客様から多くの貴重な意見をいただきました。お客様の声を参考に、より使いやすく、より美味しい冷凍を実現するために、日々努力を続けています。」と語ります。
これからも日立は、お客様のニーズに応え、進化し続ける冷蔵庫を開発していくでしょう。