環境負荷を軽減する新たな取り組み
株式会社商船三井(東京・港区)は、2025年3月に資源メジャーBHPグループと共に、ケープサイズバルカー「MIDNIGHT DREAM」にバイオ燃料を補給し、持続可能な海上輸送を進める一歩を踏み出しました。この取り組みは、海運業界における脱炭素化を目指すもので、今後の海運業界のあり方に大きな影響を与えるものと期待されています。
バイオ燃料とは
バイオ燃料は、廃食油やその他の生物由来のオーガニック資源を原料としています。「MIDNIGHT DREAM」に供給された約1,000トンのバイオ燃料は、低硫黄燃料油(VLSFO)に約24%のバイオ燃料をブレンドした混合油(B24)です。この新しい燃料によって、約750トンのCO2排出削減が見込まれており、海運業界の二酸化炭素排出量の低減に寄与します。すでに存在するディーゼルエンジンの改造は不要で、簡単に使用できるため、化石燃料の代替として理想的な選択肢であると言えるでしょう。
経営計画と環境戦略
商船三井は、経営計画「BLUE ACTION 2035」に沿った環境戦略を策定しており、その中でクリーン燃料の導入を積極的に進めていく方針を示しています。この計画では、将来的に環境に配慮した持続可能な海上輸送の推進が掲げられており、具体的な数値目標としてGHG(温室効果ガス)の排出量削減が明示されています。
「MIDNIGHT DREAM」のスペック
「MIDNIGHT DREAM」は、以下のような特徴を持つ大型船です。
- - 全長: 292メートル
- - 全幅: 45メートル
- - 型深: 18メートル
- - 積貨重量: 180,517トン
この船は、その規模と能力から大規模な貨物輸送に最適であり、環境に優しい燃料の使用を通じて、その価値がさらに高まることが期待されています。
未来への展望
商船三井とBHPの提携により、海運業界でのバイオ燃料の利用は今後も進化し続けるでしょう。この取り組みは、企業の持続可能性を高めるだけでなく、地球環境への貢献にもつながります。今後もこのような環境配慮型の燃料利用が広がることで、より持続可能な商業活動が実現することを期待しています。