ジー・キューブとチュニス・パスツール研究所が提携
2025年8月21日、神戸市に本社を置く株式会社ジー・キューブは、横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)において、チュニジアのチュニス・パスツール研究所との共同研究に向けた覚書を締結しました。この提携により、未来の抗体やワクチンの生産増強を目指すことが発表されました。
提携の背景
今回のMOU(Memorandum of Understanding)は、2022年に開催された第8回アフリカ開発会議での発表を受けたもので、ジー・キューブとチュニジアの製薬会社UNIMEDによる合弁会社「NIPPOMED」がその基盤となっています。NIPPOMEDは2022年8月にチュニジア初となるCOVID-19検査キットを製造し、2025年9月には妊娠検査キットの量産を開始する予定です。この製品の導入により、チュニジアの保健省や他の医療機関との連携を強化し、さらに今回の共同研究に向けた基盤を整えることとなったのです。
共同研究の具体像
本共同研究では、ジー・キューブが独自に開発した高機能タンパク質生産用CHO細胞「CHO-Spica」を利用することが計画されています。この細胞は、効率良くタンパク質を生産する能力に優れており、商業利用にも適しています。また、この共同研究は“3Rの原則”に基づいた責任あるアプローチで進められていきます。この原則は、代替手段の導入や動物実験の削減、そして実験の質の改善を促進するものです。
目指す未来
ジー・キューブとチュニス・パスツール研究所は、今後も協力しながら、チュニジア国内における抗体やワクチンの自立生産体制を確立し、医療やバイオ分野の発展に寄与することを目指しています。これにより、アフリカにおける公衆衛生の向上や感染症対策に大いに貢献することでしょう。
TICAD9の意義
アフリカ開発会議(TICAD)は、日本政府が主導する国際的な議論の場であり、アフリカ各国首脳や国際機関のリーダーが集まり、ビジネスや投資の可能性を探ります。TICAD9は、アフリカと日本をつなぐ重要なプラットフォームとして、横浜で開催されました。
株式会社ジー・キューブとチュニス・パスツール研究所の紹介
株式会社ジー・キューブは、メディカル・ライフサイエンス事業と半導体製造設備事業を展開する企業です。特にライフサイエンス分野では、タンパク質生産の効率化を重視し、独自のCHO細胞株を用いています。また、チュニス・パスツール研究所は、近代細菌学の父ルイ・パスツールによって設立され、公衆衛生や予防医学の研究に貢献してきました。
総括
この提携は、日本とアフリカの医療技術の連携を促進し、双方の医療環境の向上に寄与する重要なステップとなります。今後の進展に注目が集まります。