京都の自動車部品メーカー、サンコール株式会社は、EV(電気自動車)用部品事業の強化を目的として、2024年6月に愛知県豊田市の広瀬工場に新工場を設立しました。同社の次世代事業であるバスバー事業は、需要が好調で、今後もさらなる成長が見込まれています。
サンコールは、EVのバッテリーから流れ出る大電流を伝達する重要な配電部品であるバスバーの生産能力増強を目指し、広瀬工場内に新工場を建設しました。新工場は年内に稼働を開始し、7月からは生産ラインの整備が本格的にスタートする予定です。国内におけるEV需要の高まりを受け、サンコールは国内での生産体制を強化することで、需要に応えていく方針です。
さらに、サンコールは海外市場への進出も積極的に推進しています。すでに、昨年から九州の子会社であるサンコール菊池株式会社(熊本県菊池市)でバスバーの生産拡大に取り組んでおり、さらなる増設を計画しています。また、北米インディアナ州にある子会社SAI(=Suncall America.Inc)では、バスバーの現地供給体制を構築するため、新ラインの立ち上げを計画しています。SAIは、これまで自動車部品の生産拠点として、カーメーカー向けの弁ばねやリングギアなどを製造してきましたが、新たにフォーミング機などの設備を導入することで、バスバーの現地生産体制を整える予定です。
サンコールは、これらの投資を通じて、2025年度までに約17億円を投じ、グローバルでのバスバー生産体制を強化していく計画です。同社は、2026年度には約60億円の売上を目指し、EV市場におけるプレゼンスを高めていくことを目指しています。
サンコールは、1943年の創業以来、自動車部品をコア技術として、HDDサスペンション、光通信コネクタ、EV用電動部品、歩行アシストロボットなど、多様な事業を展開してきました。同社の技術力と製品品質は、国内外から高く評価されており、今後も自動車産業の発展に貢献していくことが期待されます。