企業の森林保護評価
2024-12-06 19:34:19

森林保護と人権への取り組みが問われる企業ランキング2024の結果

企業の森林保護政策に関する評価が発表される



環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、「キープ・フォレスト・スタンディング:森林&人権方針ランキング2024」を発表しました。この調査は、森林破壊や人権侵害のリスクが高いサプライチェーンに関連する世界の消費財企業を分析し、それぞれの方針や実施状況を評価したものです。

評価の背景と目的



RANのこのランキングは、熱帯林地域での森林破壊や人権侵害に関与する消費財企業10社に焦点を当てており、各社が持つ森林と人権に関連するポリシーと実施計画について詳細に評価されています。特に、パーム油や大豆、包装紙といった森林破壊リスクの高い製品を通じて、企業が引き起こす環境への影響を明らかにしています。近年、環境危機や人権問題がますます重大視されるなか、消費者や社会に対して企業の責任が厳しく問われるようになっています。

重要な調査結果



ランキングによれば、ユニリーバが唯一「C」の評価を得ましたが、他の企業は昨年とほとんど変化がなく、特に最下位になったのはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)でした。日本企業である花王は3位の「D」評価を受け、日清食品は最下位の「不可」にランクされました。これは、彼らが森林破壊や人権侵害に対する具体的な対策を講じていないことを示しています。

この調査は、各社の方針に対して12の評価項目を設けて、サプライチェーンにおける取り組みを24点満点で評価しています。森林リスク産品への対策が不足している企業が多く、特に日清食品やP&Gにおいては、その姿勢が問題視されています。

日本企業の現状



日本企業の評価では、日清食品が「不可」に位置づけられたことが注目されます。彼らはNDPE(森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)方針を採用しているものの、その適用範囲が限られており、実効性が薄いと指摘されています。花王は一部のポリシーで上位に進出したものの、全体的な実行力の改善にはつながっていません。

RANの日本シニアアドバイザー、川上豊幸は、企業側からの具体的な行動が求められていると強調しています。日清食品は「不可」に留まり、サプライヤーに独自の検査を行わせることもなく、さらなる改善が見られない状況です。また、花王もサプライヤーの監視体制が不十分であることが明らかとなっています。

世界的な問題への呼びかけ



ランキングの結果は、気候変動や生物多様性の危機への対応が急務であることを浮き彫りにしています。RANは、企業が森林保護や人権尊重のための具体的な行動を起こすよう強く求めており、消費者や投資家に対しても企業への監視を呼びかけています。今後も、企業の方針が実行に移されない限り、継続して疑問を呈していくことが必要です。

結論



RANの「森林&人権方針ランキング2024」は、企業が直面する環境問題や人権問題に対する取り組みの欠如を浮き彫りにしました。企業、消費者、社会全体が、森林の保護と人権の尊重に向けた行動を求めることが大切です。サプライチェーンの透明性や実施体制の強化が急務となっています。


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会社情報

会社名
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
住所
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11JF千駄ヶ谷408
電話番号
03-6721-0441

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