企業内保育施設の必要性と利用したい理由を探る調査結果
近年、子育てと仕事を両立させるための施策として、企業内に併設される保育施設の必要性が高まっています。特に、共働き家庭にとって、子供を預けられる場所の有無はワークライフバランスに大きな影響を及ぼす要因です。この度、シミックソリューションズ株式会社とクーミル株式会社が共同で、20~60代の共働き経験のある既婚者330名を対象に企業内保育施設に関する調査を実施しました。以下にその結果をご紹介します。
調査の概要
調査は2024年8月20日から8月25日の間にインターネットを通じて行われました。対象者は、共働き経験があり、結婚している方々です。この調査では、企業内保育施設に関する複数の質問が設定され、その結果から現状のニーズや課題を洗い出しました。
調査結果の概要
企業内保育施設の有無
調査の結果、働いている企業に保育施設があると答えたのはわずか32名、298名の方は「ない」との回答でした。これは、企業内保育施設のインフラが整っていないことを示しています。
施設利用希望者
次に、企業内保育施設があれば利用したいと回答したのは123名で、利用したいけれどもさまざまな理由でできないとしたのは151名でした。利用したくないと回答した方は56名でした。
利用できない理由
「利用したいができない」というグループに多い意見としては、通勤時間が長いことが141件で最も多く、次いで保育時間の制約(98件)、料金が高い(43件)という理由が挙げられました。他にも、保育の品質への不安やその他の理由(自由記載)として、通勤の負担や子供の送り迎えに関する意見が寄せられました。特に「子供を電車に乗せたくない」「送り迎えの疲労」という意見が多く見られ、家庭の事情が大きく関与していることが明らかになりました。
通勤時間
調査から、自宅から職場までの通勤時間に関してもデータが取られました。その結果、30分~1時間の通勤をしている方が98名、1時間~1時間30分が151名と多くの方が長時間の通勤をしていることが分かりました。これも、保育施設利用を阻む一因となっています。
看護師の配置希望
保護者として保育施設に看護師を配置してほしいと希望する方は248名と非常に多く、やはり病気や怪我に対する不安が皆さんの中にあるようです。看護師がいることで、急な体調不良やアレルギーなどにも即座に対応してほしいという意見が多く寄せられました。
期待される業務
看護師が配置された場合、期待される業務としては、日常の健康管理(178件)、緊急時の応急処置(119件)、メンタルヘルスや発達に関するサポート(143件)などが挙げられ、保護者の安心感に繋がることが期待されています。
おわりに
この調査結果は、企業内保育施設の必要性とその利用障壁に対する理解を深める貴重なデータを提供しています。今後、企業は保育施設の設置やサービス向上に向けて、利用者のニーズをしっかりと把握し、対応していくことが求められます。また、子育てを支援する企業文化の醸成も重要な課題です。子育て世代の働きやすい環境整備が、今後の重要なテーマとなるでしょう。