CULUMUの新たな挑戦
近年、企業は機能や価格から体験価値と社会的スタンスへと競争の軸を移しています。そんな中、インクルーシブデザインスタジオCULUMUが、設立3周年を迎えるにあたって『スタジオ概要デッキ』を発表しました。このデッキには、社会課題とビジネスを結びつけるための実践知や事例が豊富に盛り込まれています。
CULUMUとは何か?
CULUMUは、株式会社STYZが運営するインクルーシブデザインスタジオです。このスタジオは、N=1(象徴的な当事者)の声を起点に、空間やブランド、製品などを一貫して支援することで、社会的価値と経済的価値の両立を目指しています。これまでに5,000以上の非営利法人ネットワークを活用し、共創型デザインの実践に取り組んできました。
社会課題と企業アセットの接続
『N1キャンバス』と呼ばれる独自のフレームワークを使用し、当事者の声を基にした社会課題の構造化を行っています。この手法は、個人の困難から広範な社会課題にまで拡大する思考の流れを可視化し、それを解決するための事業アイデアへと繋げるものです。
ビジネス界の潮流とCULUMUの役割
日本においても、近年、デザインを経営戦略に組み込む動きが加速しています。経済産業省は「デザイン経営宣言」を発表し、デザインをブランド価値とイノベーションの要素と位置づけています。また、九州経済産業局は、当事者との共創を新たな経営のきっかけとして示す報告書も発表しました。このような流れの中で、CULUMUは顕著な役割を果たしています。
新たな取り組みの具体例
CULUMUの取り組みは多岐にわたります。医療やモビリティ、公共空間など、さまざまな領域で新規事業や商品開発に挑戦してきました。例えば、小学校の改築プロジェクトでは、包摂的な学習環境を実装するために、デザインを通して改善を図っています。また、小売業においては寄付アプリ『BE+CAUS』を用いて、顧客の購買行動を寄付へと転換する仕組みを構築しました。
CULUMUは、これまでの事例を基に、さらに多様な業界との共創を進めていく計画です。目指すは、社会課題の解決と企業のイノベーションを結びつけることです。
未来に向けたビジョン
今後3年間で、CULUMUは「社会課題ドリブンの事業開発を多業界へ展開」「デザイナー組織の拡充」「N=1データの蓄積」を通じて、社会的価値と経済的価値の両立を加速させていきます。これにより、複雑化する社会課題に対して、より柔軟に対応できる事業支援を提供します。
まとめ
CULUMUが提供する『スタジオ概要デッキ』は、社会ともビジネスとも関わる新たな視点を提供しています。このデッキは、無料で公開されており、企業や社会全体にとって新しい価値創出のための手段となるでしょう。これからの活動に目が離せません。