協和発酵バイオ、ヒトミルクオリゴ糖のインド市場進出を発表
2023年9月、協和発酵バイオ株式会社はヒトミルクオリゴ糖の一種である2’-フコシルラクトース(2’-FL)がインド食品安全基準局(FSSAI)から食品原料として承認されたことを発表しました。これにより、同社はインド市場への新たな進出を果たし、今後の事業展開に大きな期待が寄せられています。
インド市場の重要性
現在、インドは世界で最も人口が多い国となり、その人口は今後も増加が見込まれています。また、名目GDPにおいても世界第5位の経済大国であり、国民の健康意識の高まりとともに、安全で栄養価の高い食品の需要が増していることが伺えます。このような背景から、協和発酵バイオはインド市場での展開を通じて、企業理念である「世界の人々の健康と豊かさへの貢献」をさらに推進しています。
協和発酵バイオは、1990年代からヒトミルクオリゴ糖の研究開発に取り組み、2000年には世界初のHMO大量生産システムを確立しました。2022年にはタイに新たな工場を設立し、東南アジアや欧州市場にもHMOの商業生産を開始しています。今後は、インドを含む新たな地域での市場戦略を進めていく予定です。
ヒトミルクオリゴ糖(HMO)について
ヒトミルクオリゴ糖は母乳に含まれるオリゴ糖の総称で、特に母乳中では重要な成分として知られています。ラクトースや脂質に次いで多く含まれ、200種類以上のHMOが確認されています。これらの成分は特に乳幼児の免疫力向上や腸内環境の整備に寄与することが知られています。
近年、HMOを含む粉ミルク市場は欧米だけでなく、中国や東南アジアでも増加が期待されています。さらなる市場拡大を見越し、年平均成長率は20%から30%と予測されています。このような市場の潜在力を見込んで、HMOの研究開発が一層加速することでしょう。
安全で有益な栄養素の必要性
インド国内での健康意識の高まりに伴い、栄養素の安定供給とその安全性が求められています。協和発酵バイオは、ヒトミルクオリゴ糖を通じて、この需要に応えるべく事業を展開していく方針です。企業として、人々の健康促進と豊かさの実現を目指し、新しい価値を創造し続ける姿勢が求められています。
まとめ
協和発酵バイオのヒトミルクオリゴ糖がインドで承認されたことは、同社にとってさらなる成長の機会を意味しています。今後、インド市場での活動がどのように展開され、どのような影響をもたらすのか、業界内外の注目が集まっています。健康的な食品への需要が高まる中、協和発酵バイオが果たす役割は今後ますます重要になっていくでしょう。