ソマウッドの挑戦
2020-12-10 10:00:06

ヒノキ原木のベトナム輸出を開始、未来を見据えたソマウッドの挑戦

日本の森林資源が豊富である一方、海外に目を向ける林業ベンチャーが増え始めています。その中でも、株式会社ソマウッドは注目されています。新たな挑戦として、富士山周辺で採取されたヒノキ原木をベトナムへ輸出し始めたのです。この動きの背景には、ベトナムの木材需要の急増があります。1943年には43%あったベトナムの森林率は、戦争や違法伐採の影響により1995年には28%にまで低下しました。近年、森林再生政策により森林の面積は徐々に回復していますが、依然として多くの地域で天然林が劣化しています。こうした状況を受け、ベトナム政府は木材の商業伐採を厳しく制限し、丸太の輸出を禁止しました。これにより、国内の木材の重要性が再認識されるようになってきました。また、他にもベトナム国内で新たに木材流通センターが設立されるなど、木材需要の高まりが見られます。こうした状況において、ソマウッドは現地法人U&A Designと提携し、ヒノキ原木の直輸入を開始しました。これは、林業サービス企業としては珍しい試みです。

今後、ソマウッドは商業施設や住宅の内装材としてヒノキを活用する予定で、特に日本人オーナーの店舗にも注目しています。海外輸出を行うことで、国内の木材需要の減少に対抗し、新たな販路を開拓することが期待されています。

一方、日本国内に目を向けると、森林資源は豊富であることがわかります。国土の約7割が森林を占め、その中の約4割は人工林で、特にスギとヒノキが多く植えられています。このように恵まれた資源があるにも関わらず、木材の国内需要は減少傾向にあり、特に新型コロナウイルスの影響から住宅着工件数が大幅に減少しています。これにより、林業を支える人々の生活も危機に瀕しています。これらの状況を打破するためには、国内の木材を海外市場ででも活用することが求められています。海外に流通することで、日本の適切に管理された森林から生産された木材が、グローバルな市場で価値を持つことになるのです。

私たちの未来を守るためには、持続可能な社会の実現が不可欠です。森が持つ生態系の重要性や木材の価値を再評価し、次の世代に引き継ぐ責任が私たちにはあります。ソマウッドは、その理念を体現し、未来のために行動を起こしているのです。彼らのような企業が増えることで、日本の林業も新たな時代を迎えるでしょう。

会社情報

会社名
株式会社ソマウッド
住所
静岡県静岡市清水区布沢243
電話番号

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