2022年の初演で大きな話題を呼んだ、劇団STRAYDOGの代表作『幸せになるために』が、2024年7月に東京・新宿村LIVEにて再演されることが決定した。主演は前回に引き続き、個性派女優の鳥居みゆき。
本作は、とある廃工場に映画の撮影で集まった5組の家族が、役を演じるうちに筋書きが1985年8月12日に起きた日航機墜落事故へと変わっていくという物語。まるで“あの日”の123便の乗客の一人になったかのような演出と役者たちの演技が、観客に忘れられない衝撃を与え、2022年の上演時は追加公演やドキュメンタリー映画が公開されるほど話題となった。
今回の再演では、初演メンバーに加え、新たなキャストも出演。個性豊かな俳優陣が、それぞれの役柄に命を吹き込む。
新たに加わるキャストには、俳優・タレントとして活躍する金子昇や、映画『ようこ』で注目を集めた松田幸起、元BOYS AND MENの勇翔、舞台『夕凪の街 桜の国』主演の西脇彩華、HKT48メンバーの秋吉優花などが名を連ねている。
忘れられゆく事実を語り継ぐことこそ亡くなった人への最大の敬意であり、そして“今”を生きている私たちにしかできないこと──。キャスト・スタッフ一同、演劇というエンターテイメントを通し、“明日を生きる勇気”や“ささやかなヒント”になるような力強いメッセージへと昇華し、魂を込めて上演する。
公演は、2024年7月11日(木)から15日(月・祝)まで、東京・新宿村LIVEにて。チケットはカンフェティにて発売中。詳細はSTRAYDOG公式ホームページで確認できる。
『幸せになるために』は、重いテーマを扱っているにも関わらず、エンターテイメントとして非常に完成度の高い作品だ。日航機墜落事故という過去を題材にしながらも、現代社会に生きる人々の心の奥底に訴えかけるメッセージが込められている。
鳥居みゆきの演技は、前回同様、圧倒的な存在感を放っている。彼女が演じるキャラクターは、どこか哀愁漂う魅力があり、観る者を惹きつける。
今回の再演では、新たなキャストの加入により、さらに深みが増した作品になっていると感じた。それぞれの俳優が、自身の経験や個性を通して、それぞれのキャラクターに命を吹き込んでいる。
特に印象的だったのは、金子昇の演技。彼は、事故で亡くなった父親役を演じているが、その哀しみと怒りを、言葉ではなく表情や仕草で表現し、観る者の心を揺さぶる。
『幸せになるために』は、単なるエンターテイメント作品ではなく、私たち自身の生き方について考えさせられる作品だ。過去を振り返り、未来に向かって進んでいくための勇気を与えてくれる。ぜひ、劇場で体感してほしい。