岐阜県白川流域の新たな試み:白川LSCシステム
岐阜県の白川流域が新しい木材サプライチェーン『白川LSCシステム』の発足を迎えます。これは、地域に根ざした木材事業者たちが協力し、持続可能な森林資源の供給を目指す取り組みです。加茂郡白川町、東白川村、中津川市加子母といった地域で展開されます。このシステムは、持続可能な社会を実現するための重要なステップとなります。
サプライチェーンの必要性
岐阜県には200以上の中小規模の製材工場が存在し、地域の木材産業を支えています。しかし、昨今のウッドショックや資源価格の不安定さが木材業界に大きな影響を与えています。この問題に対処するため、地域事業者は一丸となって『白川LSCシステム』を構築しました。これにより、木材の適正な価格設定と安定した供給が行えるようになります。
白川LSCシステムの概要
このシステムの理念は「伐って→使って→植えて→育てる」です。現在の木材市場では、利益が林業の元に還元されず、また林業従事者の不足が深刻な問題です。国産木材の価格や供給も不安定であり、供給に対する信頼の回復が求められています。そこで、川上から川下までの事業者が協定を結ぶことで、それぞれの役割を理解し合い、木材流通を効率的に行う方針を打ち立てました。
意見交換会の実施
2021年12月16日には、こちらのサプライチェーンマネジメントを推進するための意見交換会が行われる予定です。業界の専門家や関係者が集まり、最終合意に向けた重要な意見を交換します。今後の木材供給の安定化に向けて、意義深い機会となるでしょう。
事業者の声
東濃ひのき製品流通協同組合の田口房国氏は、ウッドショックを機に国産材の価値とその安定供給の重要性を実感したと述べています。木材価格が変動しやすい中で、国産材の優位性を失うことがどれほど重大な影響を及ぼすかを認識しています。彼は「地域で信頼関係を築き、情報を共有することでサプライチェーンが成り立つ」と語り、白川のローカルサプライチェーンに大きな期待を寄せています。
まとめ
『白川LSCシステム』は、岐阜県の木材産業の未来を切り拓く重要なプロジェクトです。川上から川下までの協力体制を築きながら、持続可能な森林資源の確保を目指すこの取り組みに期待が寄せられています。地域材の価値を再び認識し、安定した供給が実現することで、より豊かな社会の実現につながるでしょう。
参考情報
お問い合わせ先
岐阜県木材協同組合連合会 事務局
担当者:正村洋一郎・田中佐企
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FAX:058-272-3858
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