持続可能な航空燃料(SAF)の導入
IHIは、東京都西多摩郡瑞穂町に位置する瑞穂工場において、民間航空機用エンジンの出荷前運転試験に混合バイオ燃料である持続可能な航空燃料(SAF)を使用することを決定しました。この取り組みは、廃食油などのリサイクル可能な原材料を活用し、エンジン整備事業に関するCO2排出量を削減することを目指しています。
ゼロエミッション東京戦略との連携
このSAFの導入は、東京都の「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」の一環として進められています。この戦略の中では、環境負荷が少ないバイオ燃料の商用化や実用化を支援するプロジェクトが進行中であり、IHIの取り組みもその一部に認定されています。具体的には、「バイオ燃料使用促進のための地域連携」「エンジン出荷運転のSAF導入」として選ばれました。
エンジン整備事業の展望
IHIは、民間航空機用エンジンの国際共同開発事業において、主要なパートナーとしてさまざまなプロジェクトに参加してきました。これにより、エンジンの設計から開発、製造、メンテナンスまで、幅広いビジネス展開を行っています。今後、航空機の需要が高まると予測されており、整備が求められるエンジンの数も増加する見込みです。そのため、IHIは整備事業を拡大しつつ、同時に環境への影響を低減するための取り組みも進めています。
環境への貢献
SAFの導入に向けた具体的な準備が進められており、2026年の下期から本格的に導入を開始する予定です。IHIは、瑞穂町地域から集めた廃食油を原材料として活用し、自社のエンジン整備事業だけでなく地域全体のCO2排出量削減にも寄与する計画です。
2030年度目標
瑞穂工場では、さらにCO2排出量削減を目指し、多岐にわたる取り組みを継続しています。具体的には、「2030年度GHG(Scope 1・2)排出量を2019年度の半減を目指す」という目標が設定されています。これにより、持続可能なビジョンを実現し、より良い未来を築くための努力が続けられています。
結論
IHIのSAF導入に関する新たな取り組みは、航空業界における環境負荷の軽減に向けた重要な一歩となります。持続可能な航空燃料の使用の拡大は、地域環境への影響を最小限に抑えるだけでなく、航空機需要の成長を支える新しいエネルギー源としても期待されています。将来の航空産業にとって、エコフレンドリーな技術の導入は欠かせないものとなるでしょう。