地域産広葉樹を活かした新たな家具の潮流
はじめに
日本の国土の約3分の2は森林で覆われており、その多くには利用されていない広葉樹材が存在します。近年、国内産材への需要が高まる中、飛騨産業株式会社はこの地域資源を活用した高付加価値家具の開発に力を入れています。この改革的な取り組みは、持続可能な森林資源の活用と地域の振興に寄与できる可能性を秘めています。
持続可能な森林資源の利用
飛騨産業は国立研究開発法人森林総合研究所や岐阜県生活技術研究所との共同研究において『地域産広葉樹材を無駄なく使い切る高付加価値利用技術の開発』を進めています。国産の広葉樹の自給率が低い中で、飛騨産業はこれまで十分に活用されてこなかった小径材や短尺材を家具の素材として取り入れ、地域の森林資源を有効活用する新たなモデルを確立しようとしています。
研究の背景
国内の広葉樹材の多くは製紙用チップや燃料に使われており、高付加価値な用途には非常に低い割合しか利用されていません。特に里山林の放置が進むなかで、木材の適正管理が求められています。海外産材の価格上昇や供給の不安定さにより、再び国産広葉樹に対する期待が高まり、これを機に飛騨産業が地域の広葉樹を活かした製品化を進めます。
技術の開発と意匠
本研究では、小径材および短尺材を活かすための新たな技術開発と意匠の創出に取り組んでいます。例えば、接着部材の曲木技術開発では細い材を繋ぎ合わせる方法を確立し、小径材を使った家具製品の実現を目指しています。また、異樹種複合積層材を用いた三次元加工技術や高い意匠性を有する縦継ぎ技術の開発にも注力しています。
目指す未来
2028年度までの進捗を見据え、これらの技術を自社製品に展開し、さらに業界全体へ普及させることを目指しています。新しい飛騨モデルとして全国的な普及を図り、国産材の使用比率を高めていくことが求められています。2030年までには飛騨産業の国産材使用比率を30%へ引き上げる計画です。
地域社会への貢献
本研究の成果により、未利用の広葉樹材を高付加価値化し、地域に適正な利益を還元する仕組みを構築します。これにより森林の持続可能な管理が促進され、里山の生物多様性が回復し、地域社会の活性化にもつながります。
結論
飛騨産業は、地域産広葉樹を通じて新たな価値を生み出し、持続可能な形での森林資源の利用を実現したいと考えています。これからの家具造りが地域社会にどのように寄与するのか、今後の動向が楽しみです。