米ミネルバ大学が日本に新たに設立した教育拠点
米国サンフランシスコに本校を置く
ミネルバ大学が、日本に新しい拠点を開設しました。この拠点は、国際的な大学ランキングにおいて「世界で最も革新的な大学」として評価されていることが背景にあります。今回の設立セレモニーには、双方の関係者や学生が参加し、多くの期待が寄せられました。
新しい学びのプラットフォーム
この新しい教育拠点は、2025年4月に日本財団とミネルバ大学、さらには新たに設立される一般社団法人ミネルバジャパンとの包括協定に基づいています。これにより、学生は9月から予定されている授業に向けた準備が進められてきました。具体的には、授業計画の策定や、学生寮の建設などが行われています。
学生たちは、(デジタル)オンラインと対面を組み合わせた授業を受けるほか、定期的に世界各地に設置された他の拠点に移動しながら、協力先の企業や団体と共に社会問題の解決を目指す課題解決型の学習プログラムも受講することが可能です。これにより、学生たちは実践的なスキルや経験を身につけることができるのです。
日本における高等教育の改革
長年にわたり、日本の高等教育においては、詰め込み型の教育方針や、国際競争力の低下、経済格差による進学率の低下といった問題が指摘されてきました。そのため、
日本財団は、新たな教育モデルの確立を目指し、2025年にはオンライン「ZEN大学」の開学を予定し、その支援を行っています。
拠点設立のセレモニーには、ミネルバ大学の2年生である125名が参加し、彼らはそれぞれ世界中の40カ国から集まっています。この中には日本国籍の学生も10名含まれています。セレモニーでは、この拠点の意義や学びが持つ役割についての説明が行われ、学生たちからも意気込みが表明されました。
学生たちの想い
ミネルバ大学の学長マイク・マギー氏は、「グローバルなリーダーを育成し、平和な世界を構築していきたい」と述べ、日本拠点での学びが重要な意味を持つと強調しました。また、
日本財団理事長の笹川順平氏は、「ミネルバ大学生が日本の社会や企業と密接に交流し、実際に社会課題を見つけ出す機会を提供していきたい」と意気込みを語りました。
さらに、参加した学生たちもそれぞれのバックグラウンドを活かし、異文化との対話を重視する姿勢を示しました。例えば、パキスタンのアフマド・ウスマン・ハン氏は、「スキルを実践で活かし、日本の文化を世界に広めたい」と語り、スペインのマルティナ・ディアンダ・ロドリゲス・ヴィラール氏は、「東京での経験を通じて、ミネルバの価値観を日本社会に伝えたい」と述べました。また、日本人学生の山口笑愛さんは、「ミネルバの仲間との経験を通じて、日本の社会的課題を理解し、解決策を模索していく」との抱負を語りました。
教育の未来へ
ミネルバ大学は、さまざまな国籍の学生が集まり、多様な視点で学び合う環境が整っています。設立以来、革新性を追求してきたミネルバの理念は、今後日本拠点でもより多くの学生に影響を与えることでしょう。日本におけるこの新しい教育の場は、グローバルな視点から日本社会を考え、変わっていくための重要なステップとなることでしょう。私たちが今後の展開に注目するのはもちろんですが、学生たちがこの新しい拠点での学びを通じてどのように成長し、社会に貢献していくのかも期待されます。