シニアホーム市場でのQOL向上を目指す新しいACP導入の試み
株式会社笑美面(大阪市西区)は、2025年9月からACP(アドバンス・ケア・プランニング)に基づく取り組みを強化することを発表しました。この取り組みは、シニアホームの入居者が「身体の介護は専門職に任せ、自分の心のケアに集中できる環境」を創出し、入居者の生活の質(QOL)を最大限に高める目標を掲げています。特に有識者や専門家との連携強化が重要視されています。
ACPの認知度と実践状況
最近の調査によると、シニアホームを運営する事業者のうちACPの認知率は約6割にのぼりますが、実際にその取り組みを行っているのは約2割に留まっています。このギャップを埋めることが、退院後シニアホームで生活する際のQOLの向上に寄与すると笑美面は考えています。ACPは、自分自身が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療チームと繰り返し話し合うことを含むプロセスです。
特に、患者の価値観や希望を尊重する医療の流れの中でACPの重要性は増してきていますが、退院患者の情報がシニアホームにしっかりと引き継がれないことも少なくありません。この事実は、介護家族にとっても大きな負担となります。笑美面は、この状況を改善するために具体的な施策を講じています。
笑美面の「家族会議」の取り組み
笑美面では、対面相談形式の「家族会議」を実施し、適切なシニアホーム選びを支援しています。この取り組みの核心には、シニアホームが単なる治療の場でなく、居住の場であるという考えがあり、入居者がそこで本当に望む生活を送れるようにすることが目指されています。
2024年10月期には、8,401人の退院患者に相談を行い、6,330件の家族会議を実施しました。今後は、QOLの最大化と介護家族の安寧をさらなる重点課題に掲げます。
双方のニーズに応じた情報提供
笑美面は、医療機関との連携を強化し、ACP情報を的確にシニアホームに引き継ぐことに取り組んでいます。このため、社内での勉強会を定期的に開催し、専門知識を深めるとともに、より質の高い医療とケアの提供を目指します。
さらに、シニアホーム運営事業者との連携を強化し、ALP(Advance Life Planning)情報の共有制度を見直し、病院からシニアホームへの情報伝達を円滑に進めるための体制を構築しています。
山口崇医師による専門知識の強化
この取り組みを支えるため、山口崇医師を講師に迎えた勉強会も予定されており、在宅支援や緩和ケアにおけるACPの適用を深く理解することが期待されています。
まとめ
シニアホームとは「不自由が増える場」ではなく、「本人と介護家族の尊厳を守る場所」であるべきです。笑美面は、その姿勢を貫き、ACPとALPを双方向的に捉えながら、医療とケアに関する情報を正確に連携させ、一人ひとりが望む最適な生活をサポートしていきます。
株式会社笑美面の情報
- - 社名: 株式会社笑美面(えみめん)
- - 証券コード: 9237(東証グロース)
- - 本社所在地: 大阪市西区京町堀
- - 創業: 2010年9月
- - 公式サイト: 笑美面公式サイト