助産師の岸畑聖月が語るロボット学会での家族とキャリアの真実
2026年9月1日、金沢大学にて第44回日本ロボット学会学術講演会が開催されました。このイベントのオープンフォーラムには株式会社With Midwifeの代表取締役で、助産師でもある岸畑聖月が登壇し、特に注目を集めました。フォーラムのテーマは「だれもが自分らしい道を進めるように」。今回はロボット自体についてではなく、ロボットを研究する「人」の生き方とそのバックグラウンドに焦点が当てられました。
助産師とロボットの意外な接点
一般には接点が少ない二つの分野ですが、岸畑は「ロボットを研究する人々こそが、同時に一人の生活者であり、家庭の一員である」と力説しました。妊娠や出産は、科学技術の最前線で働く人々にも影響を与えるライフイベントです。フォーラムは、研究者たちが家庭とキャリアをどう両立させているかを考える場となりました。
フォーラムの内容
フォーラムでは、中央大学の奥井学氏とGrooveX株式会社の松浦芳樹氏がそれぞれの経験を共有しました。奥井氏は、第一子が誕生した時期の「暗黒期」を振り返りつつ、夫婦での生活の優先順位について語りました。家族のケアや仕事を両立させるために、夫婦でのコミュニケーションが不可欠だと実感したそうです。
一方、松浦氏は自ら取得した育児休暇を「自分を見つめ直す時間」として考えることの重要性を強調しました。このように、出産や子育てを経たことで、働き方への視点が変わることが多いと、参加者たちに訴えました。
家族の価値観と選択の重要性
岸畑は、それぞれの事例から「正解」を求めるのではなく、家族が同じ船に乗って、コミュニケーションを通じて選択を行う重要性を伝えました。彼女は、家族全員が大切にしたいことは何か、そして変化する状況に対してどう取り組むかが、人生の質を高める鍵であると述べました。
未来への柔軟なコミュニケーション
フォーラムでは多くの質問が寄せられました。「夫婦間のコミュニケーションをどう保っているのか?」というものや、将来の見通しが立ちにくい研究職に関する疑問など、リアルな家庭とキャリアの葛藤が浮かび上がりました。岸畑は、ライフプランを立ててもそれが必ずしも実現するとは限らない点についても言及しました。
「生活者」としての研究者
最後に岸畑が強調したのは、ロボットを作る研究者やエンジニアもまた、個々の生活者としての側面を忘れてはいけないということです。仕事は人生の一部であり、家庭や自己のニーズを無視してはならないと彼女は語りました。しかし、今の環境下では「家族が多様な選択肢を持てる基盤」をどう整えていくかが、今後の課題でもあると感じました。
まとめ
今回のフォーラムを通じて、助産師がロボット学会に登壇するという新たな試みが実現しました。教育や研究職、さらには家庭の生活において、すべての選択が繋がっていることを改めて認識することができたことは、参加者にとって貴重な経験となりました。今後も助産師として、労働者として、そして一人の生活者として、いかに多様な選択肢を持ち続けるかが求められるでしょう。このフォーラムは、その第一歩になったに違いありません。