FEPシステム「NET+1」、AWS対応で進化
株式会社インテリジェントウェイブ(IWI)は、2025年6月にFEPシステム「NET+1」をアマゾン ウェブ サービス(AWS)に対応させることを発表しました。この動きは、急速に進展するキャッシュレス社会における決済処理のニーズに応えるものであり、今後の金融サービスに大きな影響を与えるでしょう。
決済処理の現状
近年、日本においてキャッシュレス化が加速する中、少額決済が増加し、決済処理のトランザクション数も急増しています。これに伴い、カード会社のシステムはより大規模かつ複雑になっており、特にFEP(フロントエンドプロセッサー)システムには24時間365日、無停止での稼働と高速処理性能が必要とされています。これまで多くのFEPシステムは、信頼性の高いオンプレミス環境で構築されてきました。
「NET+1」のAWS化
そのような背景の中、IWIは1989年に開発した「NET+1」をクラウド対応に進化させ、AWS上での提供を開始しました。この新たな対応により、高速かつ安定した処理が可能となり、トランザクション数に合わせた柔軟なスケーラブル運用が実現します。これにより、システムリソースの最適化や運用負荷の軽減が期待されています。
クラウド化の利点は、従来のオンプレミス環境の維持や大規模なシステム更改にかかるコストを削減できる点です。今回のAWS対応により、利用者にとってもより効率的で便利なサービスが提供されることが可能になります。
「NET+1」の特長
「NET+1」は、国内外の決済ネットワーク接続や、ATM接続など銀行の外部接続システムにも対応可能なソフトウェア製品です。国内の多くのカード会社において圧倒的なシェアを誇るこのシステムは、その信頼性と性能から「ミッションクリティカルなシステム」として非常に高い評価を受けています。
各社からのコメント
AWSのMark Smith氏は、「日本のキャッシュレス決済は成長を続け、多くの企業がクラウド技術を活用しています。IWIが今回、FEPシステムのAWS対応を進めたことを嬉しく思います」というコメントを寄せています。また、IWIの代表取締役社長である川上晃司氏も、クラウド技術の導入により、金融サービスの柔軟性と拡張性が向上し、「NET+1」がこれからも業界に貢献していくと語っています。
今後の展望
IWIは、従来のオンプレミス環境を継続しつつ、AWSによるクラウド提供を積極的に進めていく方針を示しています。これにより、ますます多様化するユーザーのニーズに応える製品開発を実施し、キャッシュレス社会のさらなる発展に寄与する所存です。
会社概要
株式会社インテリジェントウェイブ(IWI)は、1984年に設立され、決済システム開発を主軸としながら、安全で安心なキャッシュレス社会の実現に向けて取り組んでいます。また、近年ではAIなどの先端技術を取り入れたシステム提供にも力を入れています。IWIは、IT基盤の提供を通じて社会の仕組みを支えることを企業のミッションとしています。
今後もIWIの動きに注目し、未来のキャッシュレス社会がどのように進化していくのか見守っていきたいと思います。