九谷焼の再生ベンチ
2024-12-20 09:23:39

廃棄九谷焼を使ったテラゾーベンチが玉川髙島屋に登場

玉川髙島屋に登場した新しいテラゾーベンチ



2024年11月20日、玉川髙島屋ショッピングセンター本館2階に、新たにデザインされたテラゾーベンチが公開されました。このベンチは、株式会社CACLが製造過程で規格外となり、廃棄される寸前だった九谷焼の陶磁器片をアップサイクルしたものです。設計には有限会社永山祐子建築設計とのコラボレーションが組まれ、特にサステナブルな素材を使用した点が印象的です。

九谷焼の廃棄とその再利用



九谷焼とは、石川県で生産される伝統的な陶磁器ですが、製造工程において小さな黒点や微細な傷が生じたものは100%規格外と見なされ、約1割が廃棄されています。CACLでは、これらを無駄にせず新たな価値を見出すために回収を始めました。さらに、2024年の能登半島地震によって多くの陶磁器片が破損し、回収した素材が増えました。これらの陶磁器片は金継ぎや輪島塗技法を使い、新たな工芸作品としての形に再生される試みも行われています。

テラゾーベンチの特徴と魅力



テラゾーベンチの製作には、九谷焼の陶磁器片に加え、余った大理石の端材も使用されています。これにより、異なる素材の融合による独特なデザインが生まれ、機能性と美しさを兼ね備えた作品となりました。製作プロセスにおいて、開放感が漂う居心地の良い空間を意識し、来場者が気軽にくつろげる場としてデザインされました。

制作を担当した永山祐子建築設計のスタッフは、「テラゾーの骨材としてできるだけ大きな骨材を使うことを意識した」と語っています。来場者がこのベンチを通じてサステナブルなデザインの重要性を感じ取れることを願っています。

アートと社会貢献の融合



CACLでは、陶磁器片のアップサイクルを通じて障害福祉事業をも展開しています。陶磁器の研磨作業は、障害のある方々の就労機会を増やす取り組みの一環です。このように、九谷焼の陶磁器片を再利用することは、地域の担い手不足解消にも寄与し、資源の再利用を促進します。

未来への展望



テラゾーベンチの導入で明らかになったのは、陶磁器片がデザイン性や機能性を併せ持つ素材として再活用できる可能性です。今後、これらの素材を建材としての活用に向けた探求も続けていくとしています。

今回のプロジェクトを通じて、陶磁器片が「良い循環」を生み出す起点となり、アップサイクルの概念が広がりを見せています。そして、この取り組みは、陶磁器片から新たな価値を見出す一歩として、多くの人々に感動をもたらすことでしょう。

詳細情報


  • - テラゾーベンチの場所: 玉川髙島屋S・C本館2F
  • - 所在地: 〒158-8701 東京都世田谷区玉川3丁目17−1
  • - 企業情報: 株式会社CACL、石川県能美市
  • - URL: CACL公式サイト


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会社情報

会社名
株式会社CACL
住所
石川県能美市辰口町リ56
電話番号
0761-48-8004

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