2025年度人工知能学会年次大会に古野電気が参加、海洋産業の革新を提案

2025年度人工知能学会全国大会にて古野電気の挑戦

古野電気株式会社は、2025年5月27日から30日にかけて大阪国際会議場で開催される「2025年度人工知能学会全国大会（第39回）」にプラチナスポンサーとして参加します。この大会は人工知能に関する学術的な集まりであり、全国から多くの研究者が集まり研究成果を発表します。

AIと海洋産業の融合

この年次大会のテーマには、海洋産業におけるAI技術の応用が含まれ、古野電気は海洋分野の技術革新に取り組む姿勢を示しています。特に、2048年には創立100周年を迎える同社は、2050年の未来社会「Ocean 5.0」を見据えた技術開発を進めています。この未来社会では、AI技術を通じて船舶の運航や海洋資源の保護、自動航行技術の高度化が目指されています。

インダストリアルセッションでの発表内容

古野電気の舶用機器事業部長、矮松一磨氏は、5月28日に「古野電気が挑むAI技術を活用した海洋産業のイノベーション～Ocean 5.0の未来社会に向けて～」という演題で登壇し、同社のビジョンを紹介します。このセッションではAIを活用した最新の海洋技術やその具体的な事例についても触れられ、今後の海洋産業の発展に向けた見解が述べられる予定です。

オーガナイズドセッションでは共同研究

また、5月29日のオーガナイズドセッションでは、古野電気の研究員が共同研究に基づいた発表も行います。特に目を引くのは、株式会社新来島サノヤス造船と共同発表する「Physics-Informed Neural NetworkによるCFD代替サロゲートモデルを用いた船舶流体解析」です。この研究は、数値流体力学（CFD）の精度向上と計算時間の短縮を目指しており、非常に注目されています。

多様な発表と技術の革新

さらに、海洋研究開発機構やAitomaticとの共同研究による発表も予定されています。これにより、海況予測モデルや海事に特化した大規模言語モデル「Llamarine」が紹介され、海洋産業におけるAIの可能性が広がります。

古野電気の技術紹介ブース

大会中、古野電気のブース（E83）では、最新の操船シミュレーション技術や、海底探査用の海上ドローン、ミリ波レーダーなどの独自のセンシング技術も展示されます。この展示を通じて、同社が持つ先進的な技術と、その応用例を直接体感することができます。

今後の展望

古野電気は、AI技術の活用を通じて「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を目指しています。これからも新たな製品への展開やサービスの向上を通じて、持続可能な未来に向かって進化し続けていくことでしょう。最新の技術を持つ企業が集まるこの大会で、新たな出会いや発見が生まれることを期待しています。