人工石灰石を活用した次世代CO2固定コンクリートの実証成功
住友大阪セメント株式会社と大成建設株式会社は、グリーンイノベーション基金の支援を受けたプロジェクトを通じて、人工石灰石を使用したCO2固定コンクリート製品の実地実証を完了しました。このプロジェクトは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。
プロジェクトの概要
本プロジェクトは、国土交通省が直轄する公共工事におけるコンクリート製品を通じて、CO2の固定量を最大で1m³あたり110kgに達成することを目指しています。この取り組みは、約3年間のモニタリングを経て、コンクリートの環境性能と構造性能の両立を実証しました。
背景と技術の開発
住友大阪セメントは、2021年度から始まったグリーンイノベーション基金での研究を通じて、セメント工場から排出されるCO2を再利用し、人工石灰石を生成する技術を開発してきました。この技術により、廃棄物を資源として活用し、さらには環境への負荷を大きく削減することが期待されています。
具体的には、カルシウムを豊富に含む廃棄物を用いて人工石灰石を製造し、それを原料としたカーボンリサイクルセメントを開発することを目指しています。これにより、建設分野においてもカーボンリサイクル技術を実装することで、持続可能なインフラの構築に寄与します。
実証成果
実際の工事現場では、冷却地とトンネルという異なる環境下で、人工石灰石を用いたコンクリート製品が2つの主要工事にて使用されました。
1.
成瀬ダム原石山採取工事(秋田県)での落蓋式U形側溝
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2.
荒島第二トンネル工事(福井県)での縦壁付矩形水路
約3年間にわたるモニタリングの結果、4種類の異なるCO2固定量のコンクリートが成功裏に適用され、それぞれに応じた品質と耐久性を保持していることが確認されました。特に、凍害やトンネル内部の中性化への耐性も実証され、ひび割れや強度低下が見られなかったことは大きな成果です。
今後の展望
このプロジェクトは今後も拡大を目指しています。グリーンイノベーション基金事業の下で、さらなる技術の高度化や適用範囲の拡大を図り、公共工事における実用化を進めます。また、2026年3月に改正される日本産業規格(JIS)にも新技術の成果を反映させる予定です。
このように、住友大阪セメントと大成建設の取り組みは、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、社会インフラ分野における温室効果ガスの削減に貢献することで、持続可能な未来を築くための重要な一歩となることでしょう。意欲的な技術開発の進展に期待が寄せられます。