アースバッグハウス建築確認
2025-12-09 10:23:26

東大と佐藤淳准教授が挑む、日本初のアースバッグハウス建築確認の試み

自然素材の力を活かした新しい住宅の試み



地域の土を活用したエコな建築「アースバッグハウス」が、日本で初めて正式に建築認証を得るための共同研究が始動します。このプロジェクトは、東京大学の佐藤淳准教授との連携を基にしており、国土交通省の大臣認定を目指す画期的な試みです。アースバッグハウスは、地震や洪水、ハリケーンにも耐えられる建物として世界各国で普及しており、日本国内における制度的な認識が進む歴史的な一歩となります。

東京大学・佐藤淳准教授との協業



プロジェクトでは、佐藤准教授の豊富な知識と経験に基づく構造解析が重要な役割を果たします。彼はスタンフォード大学の客員教授でもあり、構造設計に関する専門家です。木材や鉄、コンクリートといった多様な素材を駆使し、建築の美しさと構造の合理性を両立させてきた実績があります。代表作には「公立はこだて未来大学研究棟」や「Sunny Hills Japan」があり、国内外の著名建築家とも多くのコラボレーションを行っています。

今回のプロジェクトでは、アースバッグハウスの自然素材とその曲面形状が持つ強みを科学的に証明し、建築基準に適合させることが目標です。

アースバッグ建築の国内初の建築確認取得へ



アースバッグハウスは、土を袋に詰めて積み上げるシンプルながらも強靭な工法を採用しています。この方法は環境負荷が低く、防災性にも優れていますが、日本では建築基準法に想定されていないため、これまで正式な建築確認が得られませんでした。今回の共同研究を通じて、構造計算や性能検証を行い、アースバッグハウスの制度的な認識を広げていく意義が非常に大きいのです。

世界で証明された災害耐性



アースバッグ建築の耐災性は世界各地での実績から証明されています。特に、2015年のネパール大地震では、国内に存在した55棟のアースバッグ建物がすべて無傷でした。また、2010年のハイチ地震やトルコ地震でもアースバッグ住宅は構造的な損傷を受けず、安全な避難所として重宝されました。プエルトリコではハリケーン・マリアによる暴風雨を耐え抜き、耐風圧性と厚い土壁が住民を守りました。

こうした事例から、アースバッグ建築は地震、台風、洪水、火災に対して非常に強いという評価を得ており、国連やNASAもその可能性に注目しています。

プロジェクトの意義と今後の展望



このプロジェクトを進めるにあたり、関係者はその意義を強調しています。貴凛庁株式会社の代表取締役である三井紀代子氏は、震災を経験した地域社会にとって『いのちを守る住まい』をどう根付かせるかが長年の課題であったと述べています。地域素材を活かす循環型まちづくりの実現が期待されています。

また、佐藤准教授は、土という素材の可能性に触れ、日本の過酷な環境において安全性を確認しつつ、自由な形状の建築を実現する技術の発展に寄与したいという意欲を示しています。

地域の素材を活用した次世代型住宅の社会実装を目指すこの試みは、地域から世界へと広がる希望の象徴となることでしょう。日本の住まいの未来に向け、アースバッグハウスが与える影響は計り知れません。

団体概要



地域の素材で家を創るDAO合同会社は、地域の土や木材、竹などを活用した持続可能な循環型建築を研究・推進しています。特に、地域資源を活かした実証拠点への取り組みが進んでいます。それに加え、貴凛庁株式会社がアースバッグ建築の制度化や大臣認定取得に向けた努力を行っています。

このプロジェクトは、地域に根ざしたエコな建築を通じて、災害に強い暮らしを実現する一歩を踏み出すものです。


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会社情報

会社名
貴凛庁株式会社
住所
宮城県東松島市野蒜字亀岡80
電話番号
0225-25-7319

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