株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、株式会社伊藤園およびいすゞ自動車株式会社と連携し、2024年10月から東京都台東区伊藤園浅草支店において、配送EVトラックと施設エネルギーマネジメントの実証運用を開始します。この取り組みは、企業の環境負荷削減と効率的な運営を目指すもので、EV化の推進に寄与することを目的としています。
今回のプロジェクトでは、いすゞ自動車のエルフEVが導入され、伊藤園の配送ルートにおいて運行されることになります。また、iGRIDは自社のエネルギーマネジメントプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform®」を活用し、運行計画や充電管理の最適化を図ります。具体的には、商用車情報基盤「GATEX」による充電計画の立案と、施設の電力使用量の実績と予測に基づいた充電制御を連携させ、効率的なエネルギー管理を実現します。
プロジェクトの概要
この実証運用の実施期間は2024年10月から2025年9月までの1年間です。主な内容は以下の通りです。
- - 電力測定機による施設の電力使用量の計測及び予測
- - 電力使用量の予測に基づく、施設デマンド超過抑制を考慮した充電計画の策定
- - 充電計画に基づく遠隔での充電制御
これまでのEV導入においては、充電コストや設備の整備といった課題が指摘されていました。しかし、本プロジェクトにより、充電コストの最適化が期待されています。特に、ピーク時の電力使用量に左右される基本料金の影響を抑制し、環境に優しい運行と経済的な運営の両立を目指します。通行量が多い時間帯を避けた充電計画の策定や、その結果の実地検証を通じて、EVトラックの有効利用が図られることになります。
環境への取り組み
2050年までのカーボンニュートラル実現にむけて、企業としての責任が求められる中、今回の実証運用は運輸部門から生じる二酸化炭素排出量の削減に貢献します。環境省のデータによると、日本の二酸化炭素排出量のうち、運輸部門からは約18.5%が排出されています。そのため、EV化は今後の重要な施策となります。
アイ・グリッドは、流通小売や物流業界を中心に、多くの太陽光発電所を導入し、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。現段階で978の施設で再エネを利用しており、すでに230MWの発電容量を持つ実績があります。今後も再エネの自給率を高めるために、企業や自治体との協力を進める方針です。
実証運用終了後には、得られたデータをもとに、EVトラックの業務利用と施設エネマネを統合的かつ効率的に管理できる仕組みを確立し、さらなる脱炭素社会の実現を目指していきます。これにより、持続可能な社会に向けた新たな一歩を踏み出すことが期待されています。過去の実績を活かしつつ、新たなチャレンジを続けるアイ・グリッドの動向には今後も注目が集まることでしょう。