能登豪雨から1年、地域と共に歩む支援活動の報告
2025年9月、令和6年の能登半島豪雨から1年を迎える。この節目を機に、特定非営利活動法人ジャパンハートが発表したインパクトレポートでは、現地の状況や今後の支援の方向性について語られている。
ジャパンハートは、日本発祥の医療NGOであり、災害時における医療支援活動で高い評価を得ている。能登半島地震と豪雨を受けて、同団体は迅速に現地調査を実施し、支援を開始。発生から数日以内には医療チームが現場に入り、数ヶ月にわたり地元の人々に寄り添った支援を行ってきた。
現場での支援活動
2024年1月1日に発生した災害から、ジャパンハートの医療支援チームは迅速に動き出した。物的支援は翌日から始まり、続いて医療チームが現場に赴いた。多くの医療支援団体が2月末までに撤収する中、ジャパンハートは4月中旬まで現地に留まり、地域に寄り添いながら安心を届ける活動を続けた。さらに、6月からは「おしゃべり喫茶」というサロン活動を立ち上げ、被災者の健康管理やコミュニティの再構築を支援。毎月定期的に行われ、この活動は今も続いている。
アンケート調査から見えた現状
今回公開されたレポート『奥能登のいま~地域と共に歩んだ600日~』は、600日にわたる支援活動とともに、被災者に対するアンケート調査の結果も含まれている。調査の結果、約35%の人々が発災前と比べて外出やコミュニケーションの頻度が減少していることが明らかになった。また、65%以上が健康や住宅に関する不安を抱えており、仮設住宅に住む人の3人に1人が発災後に複数の避難先を転々としているという事実も浮かび上がった。
これらの結果は、地域コミュニティの再構築が進む中でも、未だ多くの課題が残されていることを意味している。特に、健康問題や住居環境への不安が晴れない状況であることが強調されている。
今後の支援に向けて
レポートでは、「今後の災害時に活かすべき点」についても言及されている。具体的には、以下の三つの観点が重要視されている。
1. 災害初期から中長期的な健康被害を低減するための医療支援体制や避難所整備に関する意識向上。
2. 被災自治体の受援体制の充実と外部支援者に対する地域特有の視点を大切にすること。
3. 公助に依存しない自助・共助のマインドセットを育む仕組みづくり。
これらの課題に対して、ジャパンハートは自治体や住民とともに取り組む姿勢を貫いている。
最後に
能登豪雨からの復興は道半ばであり、まだ多くの支援が求められている。しかし、ジャパンハートのような団体が地域に寄り添い、困難な状況の中でも希望を持ち続けることが、地域の復興にとって重要なカギとなるだろう。今回のレポートは、地域の現状を踏まえた実践的な視点を提供しており、今後の支援活動に向けた貴重な指針となることが期待されている。
詳細なレポートについては、
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