物価高に対応した消費者の賢い選択、代替品利用が進化する現状
2025年12月22日、株式会社ヴァリューズが発表した調査結果によると、日本国内の消費者が物価高にどのように対応し、特に食料品の消費行動がどのように変化しているのかが明らかになった。この調査には、18歳以上の男女を対象に33,276人の回答が集められた。物価上昇の影響は日々の生活にどのように影響しているのだろうか。
支出増は食料品が最も顕著
調査によれば、物価高による影響を受けた支出の増加は、食料品(加工品・生鮮品)が最も顕著で、約41%の消費者が支出が増えたと回答している。これは日用品やお菓子、外食と比較しても最も高い比例となっており、消費者が日常的に利用する商品への支出が増加していることを示している。一方、外食や旅行、衣料品などは支出が減少したとする消費者も多く、現代の家計の中で何にお金を使うかという優先順位が見直されている様子が伺える。
年収別の消費行動の傾向
世帯年収が1,000万円以上の層は、物価上昇の影響を受けにくい傾向があることも注目される。この層では「食料品の支出は変わらない」との回答が約47%を占めており、高い割合が安定した支出を示している。対照的に、低所得層では支出を減らす傾向が強く、消費行動には明確な違いが見られる。
食料品の代替品に関する調査結果
さらに注目すべきは、消費者の約35%が食料品の代替を行っているという結果だ。特に「バターからマーガリン」へといった具体的な代替が進んでおり、これはコストパフォーマンスの改善を目指す消費者が多いことを示唆している。調査結果からは、魚や米、飲料なども代替の対象として見受けられる。
食材における代替の具体例
お肉では、特に牛肉から鶏肉や豚肉といった他の種類の肉へと切り替える傾向があり、鶏肉の部位で言えば「鶏もも肉から鶏むね肉」への代替が進んでいる。これは、健康志向や物価高が絡んでいると考えられ、購買行動には積極的な見直しが現れている。このような代替行動は、食料品の選択肢が多様化していることを示し、新たな消費スタンダードとして定着する可能性がある。
プライベートブランド商品への関心の高まり
また、プライベートブランド商品への移行も進行しており、メーカー品からの代替を選ぶ消費者が増加している。調査によれば、292名がプライベートブランドに切り替えた結果が示されており、これによって消費者の選択肢が広がりつつある。つまり、物価高が直接の影響を及ぼしただけでなく、消費者に新しい選択肢を呈示し、購買行動のさらなる変化を促しているのだ。
まとめ
全体として、物価高の影響は消費者の購買行動に大きな変化をもたらしていることが調査からわかる。支出が増える一方で、消費者は小さな変更を加えて賢い選択を行い、新たなスタンダードを形成している様子が伺える。このような時代背景の中で、消費者はコストと品質のバランスを見極める目を養い、もっと意識的な購買行動を求めるようになると考えられる。生活者が自らの価値観に基づき、賢い消費へと進化している姿は、今後の市場展開においても大きな影響を与えるだろう。それにより、既存のブランドにとっては、競争力をキープするために新たな付加価値の提供が求められることになるだろう。