香川県で進化する養殖業DX！AIとIoTによる未来の漁業モデル

香川県で始動する養殖業デジタルトランスフォーメーション

香川県で進行中の養殖業DXの実証事業は、AIとIoTを活用しながら地域の生産者や出荷者の収益向上を目指しています。このプロジェクトは、総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業」の支援を受けており、香川郡直島町、高松市屋島東町、東かがわ市引田の3つの拠点で行われています。

背景と目的

地域の漁業は現在、担い手不足や収益化問題、赤潮の繰り返しといった多くの課題に直面しています。このような背景の中、メルヘングループ合同会社は、地域モデルを生かして、AIとIoTの力を駆使しつつ、これらの課題を解決するアプローチを図っています。

まず問題が顕在化している「担い手問題」についてです。少子高齢化が進む中、漁業従事者が減少しています。これにより、少人数でも効果的に生産活動を続けるための効率化が急務です。この点においても、AIとIoTが重要な役割を果たすことが期待されます。

次に、「収益化問題」ですが、近年の経済情勢による燃料費の高騰が影響しており、特に餌代が大きな負担となっています。従来の方法では生産に偏りが出やすく、大きな損失を招くこともあります。そこで、漁業者は高収益魚に特化した計画的生産へとシフトする必要があるのです。

最後に「赤潮問題」に対する施策も重要です。赤潮が発生すると、餌の与え方を間違えることで、養殖魚が大量死するリスクが生じるため、リアルタイムで状況を把握し適切な対策を講じることが求められます。

実証事業の具体的な取り組み

現在のプロジェクトでは、センサーや水中ドローンなどのIoT機器を活用し、魚体や漁場をリアルタイムで監視します。この監視サービスにより、作業の効率化と赤潮といった異常事態への迅速な対応が可能になります。

また、生産者や出荷者には、魚体の成長度や出荷可能な時期に関するデータを提供します。この情報によって、理想的な出荷タイミングを把握し販売における無駄を削減し、収益を最大化する計画的な販売が実現できるようになります。

2024年度には、1出荷あたり1,500万円の収益増加を目指す我々の新しい取り組みが注目されています。前年度の実証事業では、テクノロジーを用いた陸地での漁場把握に成功しましたが、さらなるデータの補完を行い、収益に直結するデータの提供を進めていきます。